ブックキュレーターhonto編集員
背景に流れる音楽が物語を深める。テーマ曲のある小説
音楽と文学は、芸術として長く関連し続けた表現形式です。言葉だけでは表現しきれない感傷的な風景を音楽が補ってくれます。ここでは、物語の重要な場面や背景で流れるテーマ曲がある小説を集めました。文章を読みながらその曲を聴く。また、曲を聴くことで物語世界に戻ることができる。そんな小説の楽しみ方はいかがでしょうか?
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天才的な精神科医にして、人肉嗜好を持つ殺人鬼 ハンニバル・レクター博士が、刑務所から脱獄。警察や彼に恨みを持つ人々が追跡しますが、ことごとく反撃に遭い、彼はどこかへ姿を消します。彼の愛聴盤は、グレン・グールドの弾くバッハの「ゴルトベルク変奏曲」。博士のセンチメンタルな一面を表現しています。
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「本屋を襲わないか?」ではじまる、主人公の大学生と謎の青年の物語。過去の事件と、現在の主人公が体験する物語がリンクして、青年の正体が明かされていきます。重要な場面で流れる曲は、ボブ・ディランの「風に吹かれて」。どんな悩みの答えも風まかせなのさ、と歌うこの曲が、青春期のデリケートな感情を代弁します。
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ノルウェイの森 上
村上 春樹(著)
主人公「ぼく」と、自殺した親友の恋人「直子」、大学で知り合った「みどり」が織りなす恋愛。そのなかで、生と死に向き合いつつ生きる主人公を描きます。冒頭、大人になった主人公は、ビートルズの「ノルウェイの森」を聞いて青春時代の記憶を呼び覚まします。森のなかで黙々と進む時間を表現した曲が、物語を色づけています。
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サマータイム
佐藤 多佳子(著)
小学生の佳奈と弟の進。2人はある夏に、事故で父親と左腕を失った少年・広一に出会います。きらめきと鬱屈を重ね持つ彼らをピュアに表現した短編集です。表題作では広一が、ガーシュインの「サマータイム」をピアノで演奏します。その哀しげな曲調は、子どもたちが純粋さゆえに感じとった、哀切な夏の思い出にオーバーラップします。
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