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DON'T TRY・・・酒と女とギャンブルに生きた「ブコウスキー」を知る本
アメリカの無頼派作家 チャールズ・ブコウスキー。肉体労働をしながら文章を書き続け、認められたのは50歳過ぎ。自身の、酒と女とギャンブルに明け暮れる日々を綴った小説を書き、墓碑には「DON'T TRY」(頑張るなよ)という言葉を残しました。そんな彼の、皮肉と反骨精神にあふれ、楽観と諦観が入りまじった本を紹介します。
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町でいちばんの美女 改版
チャールズ・ブコウスキー(著) , 青野 聰(訳)
著者の代表的な短編集。表題作は、男がバーで出会った美女と過ごした短い日々が綴られています。売春婦のように暮らし、世を憂い自傷癖を持つ美女。男は彼女に惹かれ一緒に暮らし結婚を申し込みますが、何日か家をあけて戻ると彼女は自殺していました。猥雑でなげやりな言葉で淡々と描かれる悲劇が、人生への諦観を表現しています。
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くそったれ!少年時代
C・ブコウスキー(著) , 中川 五郎(訳)
ブコウスキーの少年時代を描いた自伝小説。虚栄心と劣等感が入りまじった父に虐待され、自身も劣等感にさいなまれながら、ロサンゼルスの貧民街で「くそったれ!」といいながら過ごした、暗い少年時代。思い出したくない、悲しく痛ましい記憶が必死に綴られていて、ブコウスキーの原点を知ることができます。
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勝手に生きろ!
C.ブコウスキー(著) , 都甲 幸治(訳)
全米を放浪し、職を転々としながら、酒場で会った女と関係をもつ。自身が過ごした20代を投影した小説。自堕落な生活のなかで、文章を書くことだけが救いだった青年時代を描きます。精神の苦悩を描きつつも、生きる目的なんか考えないで、その日その日をなんとかやり過ごせばいいのさ、というメッセージを感じさせる本です。
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死をポケットに入れて
チャールズ・ブコウスキー(著) , 中川 五郎(訳)
ブコウスキー晩年のエッセイ。長年愛用したタイプライターをパソコンに変えたエピソードや、文学、人生、老いと死を語ります。ポケットに「死」を入れて、「いつになったらくるんだい?心構えはできてるよ」と語りかける日常を、シニカルに、投げつけるような言葉で綴ったクールな本です。
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パルプ
チャールズ・ブコウスキー(著) , 柴田 元幸(訳)
酒とギャンブルに明け暮れ、ろくに仕事もしない探偵 ニック。彼のもとに、死んだ作家 セリーヌを探してくれという依頼が舞いこみます。そして、そこから珍妙な事件が連続していきます。死神やら宇宙人が登場するスラップスティックな小説です。「パルプ」とは、雑誌のように読み捨てられる本。自らの小説に対する皮肉を込めて名づけた遺作です。
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