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独特の雰囲気にどっぷりはまる、はじめてのラテンアメリカ小説
いつも読む小説とは少し違った、奇妙で幻想的な濃い世界にどっぷりとはまってみたい。もっと積極的に物語の彼方に行ってしまいたい、想像力が追いつかないような場所にふっ飛ばされたい。そんなときには、ラテンアメリカ小説です。代表的な作品から、はじめてラテンアメリカ小説を読む人に向けたガイドまで、はじめの一歩にオススメな本を紹介します。
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ラテンアメリカ十大小説
木村 榮一(著)
多くのラテンアメリカ小説の翻訳を手がけた木村榮一による、初心者用のガイドブック。解説中のネタバレが少々多めですが、実際のラテンアメリカ文学に触れる前に、どんな作家がいて、どんな物語があるのかを把握するのに便利です。
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蜘蛛女のキス 改訂新版
マヌエル・プイグ(著) , 野谷 文昭(訳)
ヴァレンティンとモリーナ、刑務所の牢に入れられた2人の会話だけで話は進みます。夜ごと映画の話をしているうちに、2人はいつしか友達以上の感情を持つのですが、実はモリーナにはある目的があって・・・。サスペンス的な要素もありますが、地の文がない特徴的な文体を生かした、濃密な愛の物語です。
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予告された殺人の記録
G・ガルシア=マルケス(著) , 野谷 文昭(訳)
タイトル通り、犯人たちが犯行を事前に「予告」していたにもかかわらず、男が家畜のように殺される話です。たくさんの登場人物が事件を語り、最後に読者が実際の殺人現場に立ち会います。現代日本とは何もかも違う世界や、立ちのぼる臭いや暑さを、そしてその印象とは対照的な緻密な構成を、ぜひ体感してください。
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悪魔の涎・追い求める男 他八篇 コルタサル短篇集
コルタサル(著) , 木村 栄一(訳)
いつまでたっても渋滞が終わらなかったり、撮った写真の画が変わっていたり・・・。現実の世界にいると思っていたのに、知らない世界の映像が眼の前に広がるような短編集。著者が人生のほとんどをフランスで過ごしたからかヨーロッパ的な雰囲気が物語にあって、ラテンアメリカの世界に慣れていない方にも読みやすい一冊です。
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伝奇集
J.L.ボルヘス(作) , 鼓 直(訳)
無限の図書館という名の宇宙を旅する人の話や、スパイを追う推理小説風の話など17編からなる短編集。簡素な文章で書かれているのに、なぜかどの短編を読んでも漠然と、どこかをさまよっているような気分になります。決して読みやすくなく、わかりやすいわけでもありません。それなのになぜか、物語のなかに引き込む力が本書にはあります。
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