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誰もが持つ小さな悪意から巨悪まで・・・悪意に強い憤りを感じる小説
信じがたい悪事を引き起こす「巨大な悪意」には憤りを感じます。しかし、どんなに善良な人であっても、心のどこかに悪意の種は潜んでいるもの。そうした小さな悪意が積み重なれば、それは巨悪と変わらないものになることもあります。巨悪と、誰もがもつ悪意、さまざまな悪意に憤りを感じる小説を選びました。
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破線のマリス
野沢 尚(著)
テレビ局で働く瑤子は、事故死とされた事件にある官僚が関与しているとする告発に義憤を感じ、彼を犯人として暗示する映像を編集し報道番組で流します。しかしそれは事実誤認で・・・。犯人とされた官僚の憎悪、自己正当化のため瑤子がおこなう悪意がこもった作為と、悪意の応酬が人間の醜さをあらわにします。
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砦なき者
野沢 尚(著)
ある事件を機に、メディアの寵児となり若者たちのカリスマとなった八尋。しかし八尋の正体は、社会に一方的な憎悪をもった怪物でした・・・。彼に対してテレビ業界の男たちが挑みます。八尋の憎悪にまみれた悪意、また彼に感化され悪意に染まっていく若者たちの行動が憤りと恐怖を感じさせます。
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スナーク狩り
宮部 みゆき(著)
恋人に裏切られ銃をもって復讐に向かう慶子。その銃を奪って殺された妻子の復讐に向かう織口、彼の行動に気づき追跡する修治の3人を中心にして描かれるサスペンスです。事件全体のきっかけとなる、慶子に銃を持ちださせた男の矮小な悪意。日常に潜む悪意が連鎖し拡大するさまが嘆息をもたらします。
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模倣犯 1
宮部 みゆき(著)
メディアをつかい劇場型に展開される連続女性拉致殺害事件。この事件を、被害者遺族、犯人、犯人の家族など多数の視点で見つめる小説。被害者のみならず、事件関係者の心を弄び苦悩させることを楽しむ主犯「ピース」と、彼がばらまく悪意に感染する人々。悪意に傷つけられた人々の悲痛な叫びが聞こえてきます。
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