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犯罪を犯す理由とは何か?犯罪の裏に潜む社会的背景を探るドキュメント
犯罪者はなぜ生まれるのか?もちろん、そこには犯罪者個々人の生得的な性質もあるでしょうが、彼らが経験した社会的環境を看過することはできません。犯罪に関する本は数多くありますが、そのなかから政治や司法だけでは解決しきれない、犯罪の裏に潜む社会的背景を探る本を選びました。
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秋葉原事件 加藤智大の軌跡
中島 岳志(著)
2008年、秋葉原で起きた連続殺傷事件の犯人・加藤智大の生い立ちから犯行までの軌跡をたどる本。母親からの過剰なしつけと、それが生んだ両親への怨嗟。職を渡り歩きつつネット上で肥大化させたもう1人の自己と事件。ねじれた人格形成とネット社会が生んだ、この事件の背後にある社会病理を問いつめた一冊です。
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2000年、当時16歳の山地悠紀夫は母親を殺害し少年院に送致。退院したのちも世間になじめない彼は、2005年に姉妹殺害事件を起こします。著者は、二つの事件が他者への共感を欠く発達障害に起因があるとし、彼の障害を認識しながら放置した少年院のありかたと、発達障害に対する社会の認識に疑義を投げかけています。
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累犯障害者
山本 譲司(著)
知的障害をもつ刑務所収監者の7割が再犯であることを問題提起し、犯罪と刑務所が生活のすべてになってしまっている知的障害者を追ったドキュメント。出所後に身の置き場のない彼らの実態、マスコミが知的障害者の事件を報道できないことの弊害など、累犯障害者の存在を明らかにし、その社会的解決策を探っています。
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2001年、小学校に乱入し児童8名を殺害、逮捕後も一切の反省をせず、2004年に死刑執行された宅間守。その精神鑑定の記録です。彼が事件前に措置診察を含め、複数の精神科医を受診し治療を受けていたにもかかわらず起きた事件。精神医療と社会が犯罪抑止に対し、いかに対処すべきかという問題を投げかけます。
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2010年、2人の幼児が衰弱死。シングルマザーの母親は、親や元夫には育児をしているように装いつつ、子どもを放置して遊び歩いていました。子育てという現実から逃避した孤独な母親。それを薄々感じつつ見ぬふりをしていた周囲の人々。手がまわらない行政。幼児虐待を社会的問題としてとらえたルポルタージュです。
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