ブックキュレーター漫画家 倉田真由美
本棚をみて愕然、私(くらたま)の暗い愉悦に驚愕の5冊!
今回この連載を始めるにあたり自分の本棚を渉猟していると、同じようなテーマ、同じようなジャンルの本がいくつも見つかりました。その中にタイトルまで同じものが数冊あり、自分でもびっくり。「児童虐待」に関する本です。私は子供時代虐待を受けてもいないし、今も子供にはかなり甘々な親で、虐待の片鱗もないと思います。自分の人生や生活には関わりないと分かりながらこの手の本が好きなのはなぜか。自問自答すると、おそらく虐待する親に対して怒りと同時に優越感を感じているためではないかな、と。人間を見下すなんて下卑た行為で嫌いなんですが、こと虐待親に対してはある種の見下し、優越意識があり、暗い愉悦を持ってそれを噛みしめているのかもしれません。ただし。中には親側にも情状を酌量したくなる部分がある場合もあり、そういう親には逆に強い同情を抱くこともあります。なんにせよ、あんまりいばれた話ではないですね。
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- 2007
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風俗業に従事する若い母親が幼い我が子二人をごみが山積みになった部屋に放置して死なせた事件を、しっかりした取材を元に掘り下げた一冊。子供のネグレクト死事件については、この著者の本が一番具体的で読み応えがあると思います。鬼の所業といってもいい事件ですが、背景を知ることでまた違った見方が出来るような気がします。
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これも具体的な虐待事件をいくつか取材し、簡潔に分かりやすく紹介してあります。「なんでこんなにヒステリーを起こすんだ、この母は?」と不思議に思うことが度々。どうも私はヒステリーの人に対して思うところがあるようです。「ヒス嫁」で検索かけてまとめ記事なんか読むの好きですし・・・。
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児童虐待 現場からの提言
川崎 二三彦(著)
ね、こんなに同じようなタイトルの「虐待」の本が並んでる本棚ちょっとやばいでしょ。専門家でもなんでもないし、自分自身虐待で悩んでないのに。この本では児童相談所に勤務経験のある研究者が、児童虐待を体系的に考察しています。なぜかうちに2冊ありました。「虐待」の文字を見て持っているのを忘れて買ってしまったんだと思います。
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子ども虐待
西澤 哲(著)
まだあるのか、と驚かれるかもしれませんがありました。私の本棚を見た人はきっと「倉田さんて実は子供を虐待しそうになっていたのかしら」「子育て、相当悩んでいるんだな」などと思うことでしょう。そうじゃないんだけど・・・。外国の心理療法など学術的な解説は、専門書を読んだことがない人にも分かりやすい内容です。
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誰か助けて 止まらない児童虐待
石川 結貴(著)
5冊目!シングルマザーだった母が男を見つけて一緒に過ごすうち、二人で子供を「しつけ」と称して虐待していくケースなどいくつかの事件や事件未満の当事者に話を聞いてあります。この本の中に「だめんず」という言葉が出てきたのには少し動揺しました。いや、使っていただいて光栄なんですけどね。
ブックキュレーター
漫画家 倉田真由美大学卒業後、「ヤングマガジンギャグ大賞」に応募し大賞受賞。2000年ダメ男を好きになる女たちを描いた『だめんず・うぉ~か~』連載開始。その後も『もんぺ町ヨメトメうぉ~ず』、アイドル漫画『終末アイドルフルフル9』『トーキョーはらへり散歩』『くらたまの恋愛やり直し!!塾』など、多数の漫画や書籍を執筆。現在は執筆活動のほかにテレビ・ラジオ出演、トークショーと多方面で活躍中。趣味は読書で好きなジャンルはミステリー、ホラー、好きな作家は貴志祐介、前川裕、小野不由美。
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