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ニッポンを相対化する!?外国人が書いた日本文化論
「自分のことは自分が一番わからない」とよく言われるように、日本に住んでいると、なかなか日本を客観視することが難しいものです。さらに外国人から見たら、日本にはずいぶんと奇妙なところがあるのだとか。もちろん、よいところもあります。距離をおいた他者の目から日本や日本人というものを見つめ直すことができる、そんな本を集めました。
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月の裏側 日本文化への視角
クロード・レヴィ=ストロース(著) , 川田 順造(訳)
「構造主義」の分析でその名を知られるフランスの文化人類学者による日本文化論です。彼の思考の手にかかれば、日本文化の骨組みは透けて見えてしまいます。「源氏物語」を「親族構造」を示す人類学的資料として読んだ人が、これまでに存在したでしょうか。文章が難しいと思われる方は、まずは巻末の訳者・川田順造との対談から読むことをオススメします。
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表徴の帝国
ロラン・バルト(著) , 宗 左近(訳)
20世紀フランスの思想家ロラン・バルトによる、日本滞在記にして日本文化読解の書です。著者ならではのしなやかな知性で、日本文化を華麗に分析しています。その分析が鮮やかすぎて、美化や深読みしすぎかと思える箇所もままありますが、結果的に、日本文化の過剰な部分が戯画として浮き彫りに。パチンコ論までもが展開されています。
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著者は日本のお隣、韓国出身の元文化部長官です。日本と欧米の比較文化論が多いなか、著者は隣国の視点から日本を探っています。なんでも縮めて、小さくすること、それが日本人の主要な特徴だと考察して、さらにその縮め方を複数のタイプにわけて論じています。日本文化論のまぎれもない傑作です。
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大江戸異人往来
タイモン・スクリーチ(著) , 高山 宏(訳)
著者のタイモン・スクリーチはイギリス出身の江戸学者です。本書では、鎖国中の江戸に生きる日本人たちが、異人、つまり外国人とまれに出会うことで、いったいどんな影響を受けたのかを論じています。今でも日本人が一般的に苦手だとされている「他者」との接触や外交について、深く考えさせられる一冊です。
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著者のドナルド・キーンは、メディアでもおなじみのアメリカ出身の日本文学者。本書は日本の美点を日本人以上に知っている著者が、古きよき日本を自在に論じたエッセイ集です。また、その欠点も日本人以上に心得ています。日本文化に深く通じたうえで日本を「内側」から論じる、その批評は現代の日本人をハッとさせる力をもっています。
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