ブックキュレーターhonto編集員
受賞作以外もすごいんです!芥川賞作家が手がけた意外な一冊
純文学の新人賞である芥川賞は、又吉直樹『火花』のように大ベストセラーになる本を生み出すことがあります。だけど、受賞作家のほかの著書も読んでみようとは、なかなかならないものです。それらの本には読み応えのあるものがたくさんあります。そこで、読み終えたときに「さすが芥川賞作家だ」という満足感が得られる本を厳選して紹介します。
- 12
- お気に入り
- 1077
- 閲覧数
-
『学問のすゝめ』が発行された明治の世、遊郭に売られた少女イチは遊女のための学校「女紅場(じょこうば)」に通います。鐡子先生に文字を、花魁には遊女の生き方を教わる日々のなか、悲惨な境遇であるにも関わらずイチの日記はまぶしい生命力に満ちています。どんなときでもまっすぐ前を向き、自分の力で歩くことの大切さを感じられる物語です。
-
川の光 1
松浦 寿輝(著)
川の開発によって棲む場所を失ったクマネズミの親子。理性的なお父さんとタータとチッチの兄弟が、たくさんの動物たちと出会い助けられ、新天地を目指す旅を描いた物語です。3匹の活躍に一喜一憂し、彼らの生きることに向けられたエネルギーの大きさに圧倒されてしまいます。小さな命を通して、今生きている世界の輝きが感じられる冒険物語です。
-
アンネが日記を記さなければ、作家・小川洋子は生まれなかったかもしれません。自らの原点として、アンネ・フランクが生きた軌跡を旅するノンフィクションです。生前親交のあった人々が語るアンネの姿、最後の地となったアウシュヴィッツの現在、遺された日記に込められた想いなど、アンネの心に寄り添うことができる一冊です。
-
チャーちゃん
保坂 和志(著) , 小沢さかえ(著)
1匹の猫が語る「死」を描いた絵本です。語られているのは「死」なのに、読んでいるだけで「生」を感じることができる不思議なストーリーになっています。生きている続きとしてある「死」の存在。読んでいくうちに心の中にある冷たく重い「死」の概念が、ゆっくりと溶けてくでしょう。楽しそうに飛び跳ねるチャーちゃんの様子が、まぶたの裏に残ります。
ブックキュレーター
honto編集員ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です