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村上春樹のルーツはここにあり!?幻想的な世界観が魅力のブローティガンの小説
村上春樹のポップで軽妙な語り口からなる初期の小説は、ヴォネガットやブローティガンの影響が強いといわれています。しかし日本において、ヴォネガットほどブローティガンが知られているとはいえません。そこで特異な幻想世界を構築することで知られるブローティガンのことがよくわかり、村上春樹の小説がもっとおもしろくなる本を紹介します。
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アメリカの鱒釣り
リチャード・ブローティガン(著) , 藤本 和子(訳)
ブローティガンはこの小説で、一躍若者たちの間で人気文学者になりました。とても短いストーリーが何編も組み合わさって大きな物語となっていく、不思議な小説です。そして「アメリカの鱒釣り」という謎の存在が、いろんなかたちをとって現れてきます。村上春樹の謎めいた小説の小道具たちと読み合わせてみると興味深いです。
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詩情にあふれた美しい幻想的なショートストーリーが、何編も積み重なっていく長編小説です。この世界では「西瓜糖」という果物から、太陽も彫刻も家具もつくられています。でもただ美しいだけではなく、そこには確かなかたちで暴力も存在しています。村上春樹の小説における暴力性の源泉を、本書に探ってみるのもおもしろいかもしれません。
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東京日記 リチャード・ブローティガン詩集
リチャード・ブローティガン(著) , 福間 健二(訳)
1976年の5月から6月にかけて、ブローティガンは東京に滞在していました。そのときに詩人の谷川俊太郎とも交流していたそうです。そんな東京での滞在を詩として編んだものがこの詩集です。本書に出てくる多くの詩情にあふれる比喩が、村上春樹の小説の軽やかな比喩と重なってくることでしょう。
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リチャード・ブローティガン
藤本 和子(著)
ブローティガンが日本に普及したのは訳者の藤本和子のくだけたポップな文体が大きい、といわれています。本書はその藤本和子による、ブローティガンへの愛情がたっぷり詰まったエッセイ集です。ブローティガンは弱い人々へいつもやさしい眼差しを向けていたことが、この本を読むとわかるでしょう。
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