ブックキュレーターhonto編集員
日本の縮図が見て取れる!?多様な視点で団地について考えることができる本
かつて団地に住むことが憧れだった時代がありました。それから時は経ち、少子高齢化による住民の高齢化、建物の老朽化など、団地を取り巻く環境は大きく変化しています。また団地を知らない世代が増える一方で、団地にフェティシズムを感じる若い世代も登場しています。団地を知れば日本が見えてくる・・・かもしれない、そんな団地に関する本を集めました。
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ある事件をきっかけに12歳で団地の外に出ないと決めた少年。マンモス団地なので日常生活には不自由がなく、就職先も団地内のケーキ屋に決めたのですが、しだいに団地の環境が変化していきます。小学校時代の友人たちはみな団地を離れ、外国人の居住者が急増し・・・。少年の成長に団地の変遷が重ねられて描かれた社会派青春小説です。
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5千万円で購入した分譲団地はバブル崩壊後に価格が暴落するも、そのローンだけが織部家に負担として圧し掛かります。さらに団地住民の高齢化、建て替え問題など、織部家と団地が抱える問題が、日本社会の縮図のように描かれます。『住むというただそれだけのことがどうしてこうも大変なのだろう』という主人公のため息が、リアルに胸に迫る団地小説です。
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映画、漫画、アニメなどに登場する団地について深く考察する団地愛好家ユニット「団地団」による団地映画論をまとめた本です。『耳をすませば』『ウルトラマン』『しとやかな獣』など、団地を舞台にした映像作品をピックアップして、団地の歴史から構造や様式、さらに都市論や郊外論まで、確かな知識を基に語ったユニークな一冊です。
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南米出身の人々が多く住んでいることで知られている愛知県豊田市にある保見団地に密着した写真集です。写真家とノンフィクション作家が3年間団地に住み込み、居住者の日々の暮らしや、移り行く季節を記録しています。日本が現在、異国の文化とどのように接しているのかが見えてくる一冊です。
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サザンウインドウ・サザンドア
石山 さやか(著)
団地マンガの新星ともいえる、2017年に発売された石山さやかのデビュー作です。べったり親密につき合うわけではないけれど、同じ空気を吸い、同じ花火を見る。そんな団地に住む人々のゆるやかなつながりが、オムニバス形式で描かれています。現代的に建て替えられ、若い住民とお年寄りが混ざり合う新しい団地のあり方を感じさせてくれる一冊です。
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