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世界共通語になりつつある「カワイイ」。その意外な深さを知ることができる本
海外の女性にも広まっている「カワイイ」という日本語は、今や世界共通語になりつつあります。小さくて愛らしい。それだけの意味に収まりきらない、独特の美学がそこにはありそうです。どんなものでも、「カワイイ」と言ってしまえばそう見えてしまう。そんな呪力を備えた言葉でもあります。「カワイイ」をさまざまな視点でとらえた本を紹介します。
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枕草子 桃尻語訳 上
清少納言(原著) , 橋本 治(訳著)
女子高生を主人公にした小説『桃尻娘』の著者・橋本治が、若い女性の言葉で『枕草子』を現代訳した本です。この本を読めば『枕草子』は、清少納言が「いとをかし=チョーカワイイ」と思ったものを紹介したエッセイであったことがわかります。「カワイイ」を支える感性は平安時代から脈々と受け継がれてきた、そう考えることができるかもしれません。
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ヨーロッパなどでカルト的な人気を得ている異色の青春小説です。ロリータファッションが好きな少女とヤンキー少女が好対照をなしている物語なのですが、それが「カワイイ」の美学に深みと広がりを与えています。本書を読めば、ヤンキーファッションが「カワイイ」の仲間であることがよくわかります。
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文芸批評家の阿部公彦が、小説における「かわいい」について論じた本です。着眼点としておもしろいのが、「幼さ」や「かわいさ」を装うことがしたたかな戦略になるということ。つまり自分から「弱いです」「無害です」とシグナルを発することで、得られるものがあるということです。その問題が、太宰治や村上春樹の小説を例に語られています。
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