あんな愛、こんな愛、そんな愛。愛のかたちは多様だ、と思えるようになる本

30歳手前で仲よしだけど、なんとなく結婚に踏み切れないカップルを描いたコミックです。彼女が病気により妊娠するのが難しいことがわかったとき、タイミング悪く彼が犯した1回の過ちと、浮気相手の妊娠が発覚。「好き」という気持ちを抱えて問題と向き合い悩む言葉の数々が、あなたの胸に突き刺さることでしょう。

名立たる文豪の恋文（と一部その返信）の数々を紹介した本です。さぞ文学的表現に長けた手紙ばかりかと思えば、文豪だって人間だもの、と思わず笑ってしまうようなちょっと甘えん坊な文章もチラホラ。他人の恋文をのぞき見るドキドキを感じつつ、こんなにも愛のかたちがあり、こんなにも愛の表現があるのかと感嘆する一冊です。

全体に流れる文学的情緒が、なんともいえない雰囲気を醸し出している漫画です。ケガにより陸上の道を諦めることになった女子高生と彼女のバイト先の中年店長の恋が、清く正しく小さな段階を経ていく空気感は、上質な純愛文学を読んでいるような気持ちにさせます。倫理観を保ちつつ年齢や立場を越える恋愛を、疑似体験することができます。

「愛し合っている＝セックスする」という当たり前なことが、まさかの身体的な相性に脅かされていく驚愕のお話です。他の人とは大丈夫なのに、最も愛する人だけが、どうしても、どうしても、つながれない・・・。世間一般の「愛の価値観」に意図せず反している夫婦が、「入らない」からこその人生を見つけていくさまに心打たれます。

子をもうける以外のセックスは必要か？という夫婦の問題に迫った連作短編集です。したい妻としたくない夫。仲はいいけどセックスレス。焦るがゆえに妄想が炸裂する妻の苦悩が痛々しくもかわいらしくコミカルに描かれていて、結局のところ夫婦であっても恋人であっても、男と女の平行線は永久に続く・・・という思いを噛みしめる一冊です。