ブックキュレータータレント 藤岡みなみ
タイトルに誘われる本(和書編)
お気に入りの本屋さんの棚を端から端まで、タイトルだけを順番にじっくりながめて過ごすのが好きです。どんな内容かわからなくてもタイトルにピンときて手に取った本は、とびきり面白いことが多いものです。そして個性的なタイトルの作品は、後から振り返った時にそれだけでどんな内容だったかすぐに思い出せることも多いですね。タイトルからすでに、物語は始まっている。
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「そいつら」という言葉の乱暴さが妙に際立つこちらのタイトル。読み終えた後には気のおけない親友にもらった言葉のように心強く響く。美しいだけの慰めとは全く違った方法で、真に他人の悲しみに立ち止まるということを描いた小説。
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読むごちそう。50年以上前に出版されたとっても上品な料理エッセイ。石井好子さんの料理の描写が好きで好きで、タイトルを思い出すだけでももうよだれが止まらない。「フライパンがあつくなると、マダムはおどろくほどたくさん(かれこれ1/8ポンドほども)バタを入れた」(8ページ)。バタって言い方大好き!!
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川上弘美さんの作品は日常的なのに幻想的で、鮮明な白昼夢のよう。タイトルもそれだけで成立する短い詩みたいだと思っていて、短編集の目次を読むだけでうっとりしてしまう。『パスタマシーンの幽霊』『光ってみえるもの、あれは』『どこから行っても遠い街』などのタイトルも好き。
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彼が通る不思議なコースを私も
白石 一文(著)
タイトルだけでは意味がわからないうえ、読み進めていくと、ミステリーでラブストーリーで社会派で、えっ、SFでもあるの?と翻弄されまくりなのだけれど、読み終えると「本当にタイトル通りだった・・・」と腑に落ちるからすさまじい。わたしという存在、そして命。というテーマをかなりいろんな方向から訴えてくる強い物語。
ブックキュレーター
タレント 藤岡みなみ1988年生まれ。タレント、エッセイストなどとして活動。2015年ラジオ番組表好きなDJランキングAM部門第1位。時間SFと縄文時代が好きで、2019年からタイムトラベル専門書店utoutoをはじめる。著書に『藤岡みなみの穴場ハンターが行く!in北海道』(北海道新聞社)、『シャプラニール流 人生を変える働き方』(エスプレ)がある。
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