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現実逃避にもってこい。独自の世界観にどっぷりつかれる、つげ義春のススメ
独自の世界観が時代を超えて根強い人気の、つげ義春。多摩川で拾った石を毎日売り続けるどうしようもない男の物語『無能の人』など、映画化されている漫画もあります。現実の世界を描きながら、どこかねじれている不思議な異次元に迷い込ませてしまう。そんな世界観にどっぷりつかれるコミックを紹介します。
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助川は、古本屋を営む山井から石の愛好家向け雑誌をもらいます。これはおもしろそうだ!自分も石で一儲けしようと画策する助川は、石のオークションを主催している「美石狂会」の石山夫婦を訪ねますが・・・。石に執着して家族を振り回す主人公の、どこか達観したかのような独自の世界観に触れられる短編です。
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同居する女性と、貧しさのために別居しなくてはならない状況に陥った主人公。女に男ができたのではないかと思いはじめる主人公は、ある日女に呼び出され、妊娠したことを告げられて嘔吐します。リアルな日常が暗いトーンで淡々と展開されながら、主人公の深い内面と狂気をはらんだ世界が露わになっていく物語です。
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李さん一家/海辺の叙景
つげ 義春(著)
東京下町の薄暗いアパートに住む青年が、房総半島にある宿で宿泊することに。海辺を散歩していたらショートカットの美少女に出会いますが、彼女はなぜか岬の先端で土左衛門が打ち上げられた話をします。房総半島にある薄暗い古びた宿。叙情性と仄暗さを内包した不思議な世界観とともに、どこかワクワクさせる期待感も味わえます。
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紅い花/やなぎ屋主人
つげ 義春(著)
房総半島の片田舎にある「やなぎ屋」という食堂を兼ねた旅館で、青年が一泊します。主人がフィリピンで戦死したため、年配の女性と若い娘が2人で営んでいる「やなぎ屋」。夜、青年が寝ていると、「やなぎ屋」の若い娘が寝巻きの前をはだけたままでのぞいていました・・・。淫靡で奇妙、そしてシュールな世界に惹き込まれる物語です。
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