ブックキュレーターhonto編集員
静かで、過激。マンガ表現を追求し続ける高野文子の魅力を味わえるコミック
「過激」といっても、過剰な暴力表現や性描写はありません。声高に何かを主張するわけでもありません。一見、淡々とした日常を、誰も試したことのない手法と切り口で描き、そのかけがえのなさ、あるいは恐ろしさをあぶり出す作家。それが高野文子です。はじめて読む人に向けて、著者の魅力を多面的に味わえるコミックを集めました。
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絶対安全剃刀 高野文子作品集
高野 文子(著)
空想の世界で一人遊びにふける少女、自分を幼女だと思いこむ82歳の老女・・・。そんな孤独で内省的な主人公たちの心の機微を、遠近法の歪んだ背景、同じアングルが連続するコマ割りなど、斬新な技法で描いたデビュー作です。現実的かつ幻想的な作品世界は、マンガというよりも、一編の詩集を読んだような読後感を残します。
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著者にしては珍しいサスペンスフルな物語です。お金持ちのメイドを解雇された少女 ラッキーは、大好きなデパートの売り子に転身。しかしなぜか、極秘文書を狙う外国のスパイたちに狙われてしまいます・・・。往年のスパイ映画のカメラワークを思わせる縦横無尽なコマ割りが、アクションシーンの迫真性を際立たせています。
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黄色い本 ジャック・チボーという名の友人 (アフタヌーンKCデラックス)
高野 文子(著)
小説『チボー家の人々』に読みふける、田舎の高校三年生・美地子。革命運動に身を投じる勇敢な主人公のジャックに惹かれた彼女は、いつしか小説世界に入りこみ、心のなかで彼に自分の平凡な毎日や就職を控えた胸の内を語りかけるようになります。読書を通して生き方を模索する美地子の内面の動きや孤独が描かれています。
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湯川秀樹、朝永振一郎ら20世紀に活躍した日本の科学者たちが暮らす下宿屋「ドミトリーともきんす」。そこを舞台に、彼らが残した一般向けの随筆を紹介する読書案内コミックです。下宿屋をまかなう若い親子とのふれあいを通して、世のなかを変える科学理論も、すべて日常生活で生まれる「なぜ?」からはじまることを教えてくれます。
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