人間の闇の部分も痛烈に描き出す・・・大人のための手塚治虫コミック

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エリート銀行員の結城三知夫（ゆうきみちお）は、営利誘拐や殺人を犯す犯罪者の一面がありました。表と裏の顔を使い分けて成功していく三知夫を、友人の賀来（がらい）神父がいさめます。ふたりは秘密毒ガス兵器「MW」に関する暗い秘密を共有する昔なじみ。神を信じる賀来と暗黒面に沈溺する三知夫の、せめぎあいが見どころです。

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終戦後の日本で天外仁郎は、GHQのスパイとして働いています。実家の天外家にもどった仁郎は、地下室に幽閉されている美少女・奇子（あやこ）を見つけます。美貌の奇子を手に入れるため、お互いを蹴落としあう一族。敗戦直後の混乱と旧家の人間関係がからみ合い、絶望的に進むストーリーが一気読みさせます。

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高度な知能をもった鳥たちが人間を駆逐して、地球の支配者となったSFコミックです。理想の社会を求めるべく深化したはずの鳥人社会ですが、やがて偏見や物欲に引きずられて醜い争いをはじめます。一話完結の短編がつながり、美しい理想が崩壊していく様子が描かれるストーリーに、胸が詰まる気持ちになります。

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ミステリー仕掛けの短編コミック8作が収められたコミックです。表題作は、平凡なサラリーマンに起きた些細な変化をきっかけにして、巨大な陰謀が明らかになるストーリー。淡々と描かれる日常が少しずつ歪んでいき、いつのまにか予期せぬ陰謀に巻き込まれる点に身近な恐怖を感じて、読後には暗い後味が残ります。

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夜泣き谷から上京してきたトッペイ少年は、バンパイヤ族。彼は誰かを恨んだり憎んだりすると、オオカミに変身してしまうのです。純真なトッペイのバンパイヤ能力を利用して社会を壊そうと画策する人間たち。人間が作った管理社会のなかで自由でありたければ、獣になる必要があるという暗澹たる指摘が突き刺さるコミックです。