専門知識がなくてもサクサク読める！はじめての医療ミステリー

手の施しようがなかったはずのがん細胞が、生命保険の生前給付金を受け取った途端に消滅する前代未聞のケースが4件連続で発生します。不審に思った医師の夏目は、友人であるエキセントリックな研究者・羽鳥とともに調査に乗り出すのだが・・・。ラストで明らかになる衝撃のトリックと哀しい物語には誰もが驚愕するでしょう。

患者の愚痴を聞くのが仕事のような窓際医師・田口と、変人ながら鮮やかな推理を繰り出す「ロジカル・モンスター」こと厚生省役人・白鳥が活躍するシリーズ第1弾です。執刀中の手術室というガラスの密室内で起きた原因不明の死亡事件の真相に、名コンビが迫ります。あっと驚くどんでん返しの連続で、最後まで目が離せません。

大病院を舞台にした人間ドラマの古典的名作です。教授の椅子を狙う野心家・財前五郎の暗躍を軸に、旧弊な大学病院の内幕や医療過誤など、さまざまな問題が緊迫感あふれる筆致で描かれています。熾烈な出世争いを通じて、正義とは何かを考えさせられます。

突然死した父の死因を探る息子がはまりこんだ矛盾（「病院の中」）、人間の耳に魅せられた男の狂気（「耳」）など、芥川龍之介の小説をベースに、病院や医療にまつわる物語を皮肉たっぷりに描いた異色短編集です。ブラックな笑いに隠された驚くほど鋭い視点は、医療の矛盾を炙り出した傑作『破裂』の著者ならではといえるでしょう。

江戸城に勤めるしがない表御番医師であり剣の達人でもある矢切良衛が、城内で起こった不審な刃傷事件の真相を探るうち巨大な陰謀に巻き込まれていく、人情あり殺陣ありの時代小説シリーズです。外科知識を活かした我流の剣で強敵を倒す良衛の活躍とともに、独特な制度に則って行われていた江戸時代の医療事情を知ることができます。