ブックキュレーター東京エンタメ堂店主 岩岡千景
いつも明るくなんて生きていられない。絶望した時、ささやかな光になる本。
「人生ってそんなに面白いことないからね」。深夜、テレビから流れてきたマツコ・デラックスさんの言葉が心に刺さった。そう、人生って面白いどころかむしろ、つらいことや絶望と隣り合わせ。いじめや信じた相手の浮気、不意の病気・・・。それでも、ささやかな光が見えれば生きていける。そんな光を与えてくれる本たちをどうぞ。
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母子家庭だった子どもの頃、母が天国へ。その後児童養護施設でいじめや虐待を受け、「死にたい」と思いながらも短歌に出会って創作を始めた歌人、鳥居。その半生を彼女の鮮烈な短歌とともに綴ったノンフィクション。母を慕い、現実を冷徹に見つめて詠んだ短歌に、あなたもきっと心揺さぶられるでしょう。
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人を信じられず次々に殺す王を暗殺しようとして失敗し処刑されることになったメロス。最後に妹の結婚式に出るため親友を身代わりに3日間の自由を得る。式を終え親友を救いに向かうメロスを数々の試練が襲う。よく知られたこの物語を始めとした11の短編集。太宰の人間描写は歳を重ねてより心に響く。大人の再読もお薦め。
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二十歳の時に命にかかわる難病になり、13年の入院・療養生活を送った著者が、自身の体験をもとに「絶望と読書」について考察。自身を救った、太宰治やカフカらの本や言葉も案内する。なぜ世の中に本があるのか?著者は「人が絶望するからだと言ってもいい」と書きます。つらい時や苦しい時こそ本を、そして物語をどうぞ。
ブックキュレーター
東京エンタメ堂店主 岩岡千景1968年東京生まれ。91年東京(中日)新聞入社。生活部や特報部で女児誘拐殺人事件や薬物依存問題などを取材。2010年から文化部。瀬戸内寂聴さんと横尾忠則さんの連載「縁の行方、今」などを担当。14年、坂本龍一さんと東京新聞記者がメディアのあり方を討論した「坂本プロジェクト」を企画、実行(『坂本龍一×東京新聞 脱原発とメディアを考える』と題し書籍化)。現在は記者や編集者らがお薦め本を紹介する読書面「東京エンタメ堂書店」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/entamedo/)を主に編集。江上剛さんら著名人の読書コラムも多く担当している。
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