ブックキュレーターhonto編集員
日本語の本来の美しさに触れてみよう。初心者でも無理なく読める古典文学
現代のような多彩なメディアがなかった頃、言葉は今よりずっと重要な伝達手段でした。そんな時代に書かれた古典文学には、磨き抜かれた日本語の感性が散りばめられています。日本語の本来の美しさにぜひ触れてみてください。古典になじみがない方も、平易な現代語訳や詳しい注釈付きのものなど、無理なく読めるものからトライしてみましょう。
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日本人ならぜひ読んでおきたい古典の代表作です。全54話、登場人物は総勢500名に及ぶ長大な物語ですが、それだけに完読したときの感動はひとしお。平安時代の風雅な恋の世界にたっぷり浸れます。たくさんの現代語訳がありますが、ここでは平安朝の香気をもちながらも気負わずやさしく読める円地文子の訳をオススメします。
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日本最古の物語といわれる『竹取物語』は、成立年代も作者も不詳の不思議な古典小説です。「かぐや姫」の題名で誰もが知っているお話ですが、原典で読むとまた違う深い味わいがあります。ぜひ原文で、日本語本来の美しさに触れてみましょう。読み終えた後は、夜空の月を見上げて昔の人が思い描いた月の世界に想いを馳せるのも素敵です。
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平安時代に書かれた日記文学の傑作です。著者の藤原道綱母は、『百人一首』にも作品が取り上げられているほど優秀な女流詩人。彼女が残した日記からは、不実な夫への愛と女のプライドとの間で揺れる1人の女性の姿が浮かび上がってきます。1000年以上の時を経ても変わらない女性のあり方に、思わず共感してしまう一冊です。
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