天才VS鬼才！高度な頭脳戦に思わず手に汗握るミステリー小説

初登場の『レッド・ドラゴン』、そして次作の『羊たちの沈黙』で強烈なインパクトを残し、当代最高のヴィランとの呼び声も高いハンニバル・レクターを主役に据えた悪漢小説です。本書でレクターに相対するのは巨大な富と権力を持つ、彼に勝るとも劣らない狂人。明晰な頭脳を備えた狂人たちの血で血を洗う凄惨な争いに圧倒される一冊です。

『一つの微細な罪悪は百の善行に償われる』という独自の理論のもと、ある殺人を実行してしまう頭脳明晰な若者の苦悩を描いた物語です。基本的には善であろうとする聡明な主人公と、彼に疑いを抱いて執拗に論戦を仕掛ける予審判事の鬼気迫るやり取りがすさまじく、重厚な思想小説にスリリングなサスペンス要素を加えた傑作となっています。

稀代の変人にして物理学者の湯川学が、その天才的な頭脳で事件の真相に迫るミステリー「ガリレオ」シリーズ第3弾です。今作で犯罪に手を染めるのは、天才を自負する湯川が天才と認めた数学者の石神。天才数学者のトリックを、天才物理学者がどう見破るのか？並みのミステリーとは次元の違う、ハイレベルな頭脳戦が楽しめる小説です。

周到に密室殺人を成しとげた殺人犯の視点で描かれた倒叙ミステリーです。仲間が集まる機会を利用して完全犯罪を遂行した伏見。ところが思いもよらないところに、彼の言動に不信を持つ人物が現れ・・・。探偵役の風変わりな女性に執拗に追い詰められていく主人公の心理が緻密に描かれており、思わず殺人犯に感情移入してしまう異色作です。

四肢麻痺の元科学捜査官の活躍を描いた「リンカーン・ライム」シリーズ第7弾です。豊富な知識と卓越した分析力で数々の難事件を解決してきたライムが、シリーズ最強の知能犯を迎え、これまでにないほどの熾烈な頭脳戦を繰り広げます。「どんでんがえし」が代名詞である著者渾身の一冊である本書は、最後の1行まで気が抜けません。