ブックキュレーター会社経営者&編集者 藤岡比左志
現代の「冒険」「探検」をリアルに実感する超面白ドキュメント5冊
世の中には普通の生活とは隔絶した世界を好んで行動する人がいます。彼らは、常人の想像を超えた異界の地で何を見て、何を考え、何を感じたのでしょうか。大渓谷、大ジャングル、大洞窟そして廃道・・・。未知の世界を知りたいという好奇心を原動力に、こうした過酷な場所に挑戦する現代の「冒険家」「探検家」の真情が伝わってくる本を紹介します。
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現代を代表する探検の本として、まず推奨したいのが開高賞と大宅賞を受賞した本作。チベットの最奥にある人跡未踏の大峡谷を初めて踏査した記録です。臨場感溢れる文章とスリリングな展開でまさに一気読み。グーグルアースが世界を網羅する時代に、あえて自分の足と目で確かめたいという探検家の熱情が強く伝わってきます。
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著書は早大探検部出身。何冊もの探検ルポを上梓していますが、本作の舞台は中国四川省からビルマ北部を通りインドへ至る幻の交易路。少数民族の支配する辺境の地。『誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く』という著者らしく、本当は深刻な状況も思わず笑えるノンフィクションです。
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面白さという点では、この本は一押し。沢ヤ(著者によると、沢登りに異常なこだわりをもった偏屈な社会不適合者)の中でも最強のクライマーたちによる国内外の探検紀行。黒部峡谷からタイのジャングルまで、冒頭のカラー写真を見るだけでもこんな場所によく行けたと感嘆。5m以上の大蛇を輪切りにした写真には絶句です。
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廃道とは何らかの理由で放棄され失われた道のこと。当然、今は通る人もなく山野に埋もれています。それを見つけ出し、自分の足で踏破して克明にレポートしているのが本書の著書・平沼義之氏。収録された廃道と廃線跡はどれも常人なら行かない過酷な場所ばかり。現代日本にもまだまだ「探検」の対象があると再認識しました。
ブックキュレーター
会社経営者&編集者 藤岡比左志ダイヤモンド社にて、雑誌編集者として約10年、書籍編集者として約8年ほど従事する。マネー誌「ダイヤモンドZAi」創刊編集長などを経て、「地球の歩き方」発行元のダイヤモンド・ビッグ社代表取締役を務める。趣味は旅と投資(笑)。飛行機の中で、ビールやウイスキーを飲みながら、ひたすら読書に没頭している時間が至福の時。読書の大半は電車やバスの中、あるいはクルーズ船の中など乗り物内。または酒場の片隅。読書傾向はノンフィクション、小説、エッセイなど多岐にわたるが、日本や中国などの歴史関係の書籍や山岳遭難、漂流、天変地異、犯罪、事件などを扱った本を好む。好きな作家は、吉村昭、陳舜臣、中村彰彦、佐木隆三など。
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