ブックキュレーターかもめブックス 宮崎麻紀
続きがきになるけど読了したくない!我儘な読書家のための長編海外小説
面白い本に出会うとページを捲る手が止まらないものですよね。かと言って、残りのページが僅かになると、終わっちゃうのかとと寂しくなったり。ずっと物語に浸っていたいけど、読めば終わりに近づくし、読まなければ続きが気になるし。読書とはなんて悩ましい・・・。せめて出来るだけ長く楽しみたい!ということで「超」長編小説を選んでみました。
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アレクサンドリアを舞台に、一時期に起こった男女の愛憎を、1巻ごとそれそれ違う人物の視点から描いた、全4巻からなる連作物語です。エキゾチックな香りの香水を胸いっぱいに吸い込んで軽い眩暈を覚えるかのような、20世紀を代表する濃厚濃密な文学作品。四重奏を存分に楽しむには、1巻からの通読がおススメです。
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16世紀末のイスタンブール。一人の細密画家が殺されたところから物語は始まります。主人公は命により犯人を捜すことになるのですが・・・。各章が「わたしは~」という一人称の語りから成り、そこに細密画の世界観や恋物語などが挿入され、意匠を尽くした作品。総じて面白いのがノーベル賞作家・パムクの真骨頂。
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親子3代、100年に渡る壮大な一族の物語。幻想と現実を行き来する語り口は、マルケスの『百年の孤独』と並び評されることが多いですが、この小説の白眉は、人の愚行や生きることの素晴らしさを巧みなストーリーテリングで描き切っていること。物語の全体像が一気に見えてくる最後の十数ページは圧巻です。
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6つの物語が1-2-3-4-5-6-6-5-4-3-2-1と進む形式もさることながら、日誌や書簡、SFなど、小説のあらゆるジャンルが一作に凝縮、それぞれに文体も異なるのですから、この作品の複雑さは言うまでもありません。読後に小説の新大陸が見えそてきそうな、時空を超えた、文明と暴力、支配の物語。
ブックキュレーター
かもめブックス 宮崎麻紀かもめブックス・スタッフ。渋谷の書店で主にアート書の担当を十数年務めた後、2014年10月から、かもめブックスのオープンメンバーとして勤務。現在はイベントの進行や店舗管理の雑務をしながら、書籍の担当をしています。かもめブックスはカフェとギャラリー、書店がキュッと詰まった、神楽坂駅からすぐの小さなお店です。「普段本を読まない人に本を手にしてもらうにはどうしたらいいのだろう!?」と試行錯誤しつつ、2017年11月に3周年を迎えることができました。街に根付いた書店を目指して、日々奮闘しています。(かもめブックスHP: http://kamomebooks.jp/)
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