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映画『ブレードランナー』の原作だけじゃない!P・K・ディックの傑作SF
シリーズ化もされて人気の映画『ブレードランナー』。その原作者フィリップ・K・ディックの傑作群のなかでも、とりわけ現実と非現実、存在と非存在の境界の曖昧さを描いた小説を集めました。いま自分がいるのは偽りの世界ではないか?という妄想さえ喚起されそうな、不安とスリルに満ちた読書体験を味わえるものばかりです。
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3000万人のファンをもつ人気タレントのジェイソン・タヴァナーは、ある日、自分の存在が世界から抹消されていることに気づきます。名前を告げても誰も知らず、国家のデータバンクにも記録なし。収容所送りを逃れるため、偽造IDを手に逃亡を続けるタヴァナーは、やがて現実の裏側に隠された衝撃的な事実を知ることになります。
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フィレッドというコードネームで覆面麻薬捜査官を務めるボブ・アークター。潜入捜査と称し、自らもドラックを使用してジャンキーたちと生活していた彼は、上司から密売疑惑のある1人の男の監視を命じられます。隠しカメラと盗聴器で監視を続けるフィレッド。やがて彼の自我は分裂し、現実感覚が崩壊していきます。
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時は1992年。月での予知能力者狩りで仲間の大半を失い、からくも地球に帰還したジョー・チップ。しかしそこは、食物や機械をはじめ、あらゆるものが古くなってゆく「時間退行現象」に襲われた世界でした。やがて1939年にまで逆行した世界で、ジョーは月で死んだはずの仲間から、驚くべきメッセージを受け取ります。
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友人の自殺を止められなかった後悔と悲しみで精神崩壊し、狂気におちいったファット。奇妙な神秘体験を通して「この世界は偽物である」と認識するにいたった彼は、まるで自分の体験を再現したと思われる『ヴァリス』という映画に出会います。妄想とストーリーが入り乱れながら進む、呑みこまれるような迫力の小説です。
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実際の歴史に反し、第二次大戦でドイツ、日本、イタリアが勝利した世界を描いた小説です。舞台はドイツと日本に分割統治されたアメリカ。そこでベストセラーとなっている本は、アメリカやイギリスなど連合国軍が勝利したもう一つの世界を描くSF小説でした。虚構のなかに存在する事実。目眩のような感覚が読者を襲います。
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