ブックキュレーターKADOKAWA ビジネス編集課 副編集長 藤岡岳哉
1960~2000年代まで各時代を席巻した思想を10年ごとに概観する!
2017年の総選挙ではあらためて、各党の政治思想に焦点が当たりました。そうした日本の政治思想や文化論の現在地を理解するには、その思想や文化がどんな変遷をたどったか、どのような問題意識があったのかを掘り下げた本が参考になります。1960~2000年代までを10年ずつ区分けし、当時の「空気」を体感できる本を紹介しましょう。
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1968 上 若者たちの叛乱とその背景
小熊 英二(著)
1968年とはご存じ、東大をはじめとする各大学で全共闘運動が巻き起こった年です。その年がまさに象徴する「あの時代」とは、いったい何だったのか?それは「政治運動」ではなく「表現行為」であったという視点から、膨大な資料を渉猟しながら真実が明らかにされます。
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かつて、郊外の団地の小学校を舞台に行なわれた「民主主義の実験」。「班競争」「代表児童委員会」「林間学校」などになぜ、幼い著者は息苦しさを感じ、違和感を覚えたのか?当時の学校教育に存在していた「空気」を実体験できる渾身の一書です。
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東京大学「80年代地下文化論」講義 決定版
宮沢 章夫(著)
「1980年代はただのバブルだった」「若者は逃走するだけで何も実現できなかった」・・・。はたしてほんとうにそうなのか?ネガティブな側面だけがクローズアップされるこの時代について、演劇、ファッション、アイドル、オタクまで全方位を取り込みながら、1980年代の意義を論じる大作。
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制服少女たちの選択 After 10 Years
宮台 真司(著)
1990年代の思想界を席巻した著者による、時代のアイコンともいえる一書。1996年に流行語にも選ばれた「ブルセラ」時代のなかで、なぜ女子高生たちは「援助交際」に走ったのか?社会学的なフィールドワークに加えて当時の世情を鋭く分析した著者ならではの視点が光る書。
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「大きな物語」が終わったあと、ポストモダンはどのような時代になるのか?最新の哲学の知見を引用しながらも抽象論だけでなく、オタクたちによる「データベース消費」など具体的な記述はまさに、2000年代から現在にいたるマーケット動向を予言していました。哲学が時代に先んじることを証明した一書だと思います。
ブックキュレーター
KADOKAWA ビジネス編集課 副編集長 藤岡岳哉1980年生まれ。上智大学社会学科卒業後、PHP研究所に入社。雑誌『Voice』、PHP新書の編集に従事し、その後、KADOKAWAに入社。ビジネス書から新書まで、幅広いジャンルの編集を手がける。
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