丁寧な物腰で主人をサポート！執事の活躍が光るミステリー小説

日本の名家である烏丸家の若き当主・花穎と新任執事・衣更月のコンビが織りなす上流階級ミステリー。当主が誘拐される事件では、花穎が電話で発したわずかなメッセージを正確にくみ取る衣更月。メッセージをもとに居場所をつきとめ、主人が監禁されている建物の扉を蹴破り踏みこんでいく衣更月の活躍が印象的です。

大企業のお嬢様であり、国立署の新米刑事でもある麗子。彼女に仕える執事の影山は、事件の詳細を聞くだけで捜査線上に浮かんでいなかった真犯人を指摘するほどの、見事な推理力をもちます。麗子が食後のワインを嗜む間に彼女から聞いたばかりの事件の謎を解いてみせ、犯人逮捕に導いてしまう影山の高い推理力が味わえます。

幽霊や都市伝説など「非日常」分野の事件を扱う箱庭探偵社。探偵社で働く九条は、アフタヌーンティーを手際よく準備する極上の執事であり、優れた洞察力で凶悪事件の謎を解く優秀な探偵です。「恋心」が引き金となって起こった殺人事件の調査では、事件に関わる女学生たちの繊細な恋心に気がつく九条の洞察力が光ります。

20世紀初頭のロンドンを舞台に、金持ち青年 バーティの抱える厄介事を執事 ジーヴスが解決していく物語。主人に助言して裏で手をまわすことで、面倒な縁談を破談にしたり盗まれた宝石を取り返すジーヴス。豊富な経験を活かして最良の手段を瞬時に判断し、問題解決に導いていくジーヴスの機転に唸らされます。

「貴族探偵」と呼ばれる謎の紳士が、コネと召使を駆使して事件を解決に導くストーリー。調査そっちのけで女性を口説く貴族探偵に代わり、現場の調査や事情聴取、事件の解説といった探偵の仕事をこなすのは、彼につかえる執事・山本です。貴族探偵の「頭脳」そして「手足」となって働く山本の活躍が際立つ一冊です。