ブックキュレーターhonto編集員
正論だらけの社会に疲れたら読みたい、型破りでユーモラスな深沢七郎の本
42歳のときに三島由紀夫らに衝撃を与えた「楢山節考」でデビュー。その後に発表した小説が右翼によるテロ事件を引き起こすと、身を隠して全国を放浪。作家だけでなく農業にも励み、「人間滅亡教」を掲げて流浪の生涯を送った深沢七郎。ユーモラスで飄々としていながらも、常識や道徳から遠く離れた、型破りな世界観が味わえる本を紹介します。
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エッセイを中心に編まれた作品集です。小説『風流夢譚』が引き起こした右翼による出版社社長宅襲撃事件と、その後の放浪生活。埼玉ではじめた農業と、東京に開店した今川焼屋。そんな流浪の日々が、『愛ははためいわくな感情だから嫌いだ』『淋しいって痛快なんだ』という言葉とともに、ユーモラスに飄々と綴られています。
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楢山節考 改版
深沢 七郎(著)
うば捨ての風習が残る山村を舞台に、みずから石で歯を折り、すすんで捨てられようとする老婆が主人公の「楢山節考」。先輩作家の死に際し、どんなに賢くて地位があっても『死ねば誰でも同じ物になるのだから、私はほっとする』と語る「白鳥の死」。その無常観あふれる世界に、ときに恐ろしささえ感じる短編集です。
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デビューしたばかりで文壇事情に疎い著者が、正宗白鳥、石原慎太郎ら先輩作家に対して、失礼な発言をくり返す表題エッセイ。他にも、お見合いで職業を訊かれて『遊び人です』と答えて失敗したり、亡き母を偲ぶ文章に『勝手に子供を生んでいい迷惑』と書いたり、その自由闊達な言動に笑いと驚きが止まらないエッセイ集です。
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生まれることは屁と同じ 深沢七郎対談集
深沢 七郎(著) , 新海 均(編)
横尾忠則、寺山修司、秋吉久美子ら、一癖も二癖もあるゲストを迎えた対談集。樹木希林に『樹木希林大車輪』という戒名をすすめるなど、笑いあふれる会話のなかに、『東京は人口50人くらいでいい』『道徳は誰かが得するようにつくられたもの』といった、深沢七郎ならではの毒を含んだ過激な発言が飛び出します。
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人間滅亡的人生案内
深沢 七郎(著)
若者からの人生相談に答えた本です。たとえば「何にも熱中できない」という相談には、『ステキなこと。何となく生まれたのだからボーッと生きればいいのです』という答え。他にも『偉くなりたいという考えは錯覚です』『大卒程度の教養は人間性に却ってマイナス』など、普通の人生相談にない視点とスケール感に圧倒されます。
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