お金と幸せの関係について考える

単にお金をふやすだけでなく、自らを高め、心豊かに、ライフスタイルを確立し、「品格」を身につけた資産家をめざすにはどうしたらよいかをやさしく解説している。資産運用の本だが、生き方も大事、と気づかせてくれる。著者のいう「お金持ちよりしあわせもち」を目指したい。
タイトルに「30歳から」とあるが、40歳からでも十分に間に合うはずだ。

著者は東大農学部の教授で、日比谷公園や明治神宮神苑など、日本国内に百以上の公園の造園や森の植林を行った人物。そして、莫大な財産を築いた投資家でもある。投資法はシンプルで、給料の4分の1を貯金し、ある程度たまったら株式投資を行うというもの。投資法はそのまま使えるわけではないが、仕事・貯蓄に対する姿勢や稼いだお金の使い方、生き方などは参考になるし、格好いい（最後は財産の大部分を寄付）。

学生時代に、カンボジアでの地雷除去やウガンダの元子供兵たちの社会復帰を手助けするNPOを設立した著者の思いや行動力が伝わる本。本書を読むことで、遠いところの出来事だと思っていたことが、実は私たちの生活に深く関わっていることにも気づく。頭でいろいろ考えているけれど、一歩が踏み出せないという方に読んでほしい一冊。

過去から現在、そして未来に向けたお金の存在意義・価値、影響を平易な言葉でわかりやすく説明している。モノをお金でやり取りする“資本主義”から、コトを時間でやり取りする“時間主義”、モノを信用で直接やり取りする“記帳主義”経て、最後にはお金が存在しない“信用主義”に変化すると著者は説く。お金がない世界は存在しうるのか、お金とは別の価値とは何かに思いを巡らせるといいだろう。

2018年1月からスタートした「つみたてNISA（つみたて型の少額投資非課税制度）」や一般NISAについて、そのしくみや留意点、活用法、金融機関選びまでの丁寧にカ解説した本。つみたてNISAは、年間40万円まで、投資信託を積み立て方式で買っていくと、最長20年間利益が非課税になるという制度。長期的にお金を育てていくには、こうした税制優遇のある制度を知って賢く活用したい。