ブックキュレーターhonto編集員
奇想天外な危険に挑む!学者の研究ライフが覗けるエッセイ
白衣をまとって顕微鏡をのぞき、研究室で論文を書くなど、学者といえばインドアな印象が強いものです。しかし研究は、意外とアウトドアだったりもします。研究材料を求めて絶海の孤島やジャングルの奥地へ向かう姿は、さながら体力勝負の冒険家のよう。想定外のトラブルに遭遇しながらも、忍耐強く調査を続ける学者たちが記したエッセイを集めました。
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鳥類学者である著者の主な調査地、小笠原諸島には原生の自然が残っています。夜間調査では蛾が耳に入って悶絶、唯一の道である崖を上って調査に向かうなど、手つかずの自然に翻弄される様子が臨場感たっぷりに綴られています。鳥のさえずりや虫の羽音、緑や土の匂いが伝わってくるような情景の描写に誰もが惹きこまれるはずです。
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バッタの大発生で農作物に被害がおよぶ北アフリカ・モーリタニアでの研究活動を軽快な語り口でまとめたエッセイです。野性的なローカルフードを食し、おびただしい数のバッタに囲まれ、サソリに刺されながらも研究を続ける著者の活動力に驚かされます。また掲載写真からも見てとれる、そのワイルドな生活ぶりに圧倒されるでしょう。
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カラス屋の双眼鏡
松原始(著)
街中でも観察できる「カラス」を研究対象にしているため、著者はいつでも最低限の研究道具を持ち歩いているそうです。鳥類の研究に危険な場面は少ないようにも思えますが、鳥をねらう「大蛇」との遭遇頻度が高いことを語るエピソードにはハッとさせられるはず。食べる側、食べられる側の生死を見つめ続ける著者の文章に心をゆさぶられます。
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著者の研究内容は、世界各地で昆虫を捕まえ、新種を発見したり、遺伝子から進化の道筋を調べることにあります。1年の3分の1を熱帯のジャングルで過ごす著者の活動には「忍耐力」が不可欠です。アリの行列を何時間も眺めたり、「死の病」を媒介するハエに刺されることもある調査に挑む学者の、不屈の精神が実感できます。
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