ブックキュレーターhonto編集員
読んでからつくるか、食べてから読むか。一冊で二度おいしい本
ストーリーも気になるけど、登場人物たちが食べている料理にも文字通り食指が動きます。ミステリーあり、時代小説あり、ハチャメチャなオモシロ読物あり。食も和・洋・中とそろって、本好きの舌自慢、美味礼賛派にはたまらないかもしれません。レシピもしっかり書き込まれているものが多く、読んでいて「小腹がすいた」ときにぴったりの本ばかりです。
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日本推理作家協会賞受賞作全集 95 花の下にて春死なむ
北森鴻(著)
東京・三軒茶屋の路地裏にあるビアバー「香菜里屋」。アルコール度数の違う4種類のビールと、持ち込まれた謎をさりげなく解くマスター工藤の推理が常連客のお目当てです。ビールのあての創作料理は本格派にしては簡単なので、ぜひトライしてみてください。ただ、筋立てはどこか切ない、人生の悲哀に満ちた全6編の連作ミステリーです。
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アウトドア志向の読書人にとっては、すでにレジェンドともいうべき本です。探険隊といっても、特段探険をするわけではありません。ひたすら怪しい男たちが、鍋釜持って川原で、浜辺で、島で、ハチャメチャなどんちゃん騒ぎが繰り広げられます。オススメの料理は「謹製日和見鍋」。特に、下ごしらえの玉ネギの大鍋大量油炒めが参考になります。
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季蔵は日本橋の一膳飯屋「塩梅屋」の主です。北町奉行の密命を帯びて探索を受け持つ、裏の顔も持ちます。第19弾の本書は近くの長屋に住み着いた謎の浪人の話ですが、何巻から読んでもおもしろいのがこのシリーズの特長です。料理は冒頭に出てくる、巻き鮨の飯の代わりに蕎麦を巻いた「寒鰆の蕎麦鮨」に注目してください。
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おにぎりの丸かじり
東海林 さだお(著)
おにぎりの具をめぐる「保守派と人権派の争い」の結果「天むす」が生まれたという話のほか、抱腹絶倒の「丸かじり」話がズラリとそろいました。何気ない日常も独特のおじさん目線で切り取ると、こんなにもおもしろさにあふれているのかと感心させられます。コンビニおでんの正しい食べ方を読めば、本当にお腹が空いてきます。
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