あなたが歴史の目撃者に!?信長暗殺の謎に迫る歴史ミステリー

天下統一に王手をかけた織田信長は、敵対勢力の一掃、古き制度・因習の改革を断行。ついに朝廷の権力や威光さえも凌駕していきます。この状況に強い危機感を抱いた正親町天皇が、明智光秀に対し信長討伐の密勅を下す・・・という小説です。信長暗殺の朝廷黒幕説を柱に、登場人物たちの心理戦、謀略戦を描いた渾身の一冊です。

明智光秀、徳川家康、森蘭丸、織田信房、斎藤利三、島井宗室、細川幽斎の7人のそれぞれの視点で、本能寺の変との関わりが描かれています。7話それぞれ著者が異なっているため、従来から諸説ある信長暗殺の謎に対しても、各作家それぞれ独自のとらえ方をされています。幅広い視点を一冊で楽しむことができます。

織田軍団の中で、主君信長の強烈な個性や異質の価値観、高圧的な命令に戸惑いながら、期待に応えるべく奮闘する明智光秀の内面を見事に描いた小説です。光秀が抱く葛藤や怖れが、老境の彼を蝕みつつある精神的な病と相乗効果をもたらし、精神崩壊へと繋がっていく過程がリアルに描写され、哀愁が漂う物語に仕上がっています。

織田信長暗殺の事態に、身内の織田信孝、家臣の滝川一益、毛利の外交僧・安国寺恵瓊、側室のおなべが、それぞれ主人公として描かれる短編集です。各人が右往左往しながらも思惑を胸に秘め、どう対処するか考え奮闘する様子が生き生きと描かれています。著者独自の考えが描かれた信長暗殺の真相がとても興味深い一冊です。

将軍足利義昭との確執、比叡山など宗教勢力との抗争、大坂遷都計画など、天下統一に向けた織田信長の足跡をたどりながら、日本をどう作り変えるかという彼の壮大な構想を交え解説しています。信長暗殺の真相では黒幕説や光秀単独犯行説など諸説を紹介し、著者の考えも披露。信長の知識を深めることができる良書です。