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客観的に自身を分析!?説得力とすごみがある当事者研究本
自分は人生の当事者として生きられているだろうか。ここで紹介するのは、思わずそう考えさせられる本ばかりです。病を患った当人が、自身を客観的に分析して、また実際に学問として研究する「当事者研究」。国内では、北海道のある病院と施設から始まりました。当事者をいわば肯定的に引き受けた人たちの語る言葉には、説得力とすごみがあります。
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精神を患った人たちが独特な共同生活を営む「べてるの家」の記録です。日本における「当事者研究」は、ここで初めて実践されました。病人=保護されるべき存在ではなく、自身の病を研究することで病と主体的に関わっていく道を探る。本書を読むうちにこれは他人事ではなく、私たちの生き方そのものと深くつながっていることに気づかされます。
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幼児から脳性マヒを患う医師と発達障害を抱える研究者の対談です。「病人」というレッテルを超え、「孤」ではなく「個」として和して同ぜず生きるためにはどうすればよいのか。マイノリティの中に多様性を発見することを目指す、当事者ならではの視点からしか見えてこない、人間関係の築き方のヒントが詰まった一冊です。
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坂口恭平躁鬱日記
坂口 恭平(著)
著者が自身の躁鬱病の日々を綴った一冊です。この日記は「坂口恭平」という三人称で書かれている通り、著者にとっては自分の病を客観視するための記録なのです。思いのままにならない自分を、みんなを巻き込んでうまく操縦するためになされるドタバタな日々。読むほどにこれが本当に「生きる」ということではないか、と考えさせられます。
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死の淵をさまよった脳神経科医が、生還後に自らの臨死体験を記録し、医学的に検証した本です。本書は数多くの臨死体験の証言を集めた本ではなく、医師自身の当事者研究である点が画期的。臨死体験には、科学的に説明できるものとできないものがあるようです。著者が見てきた天国とは、はたしてどちらだったのでしょう。
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奇跡の脳 脳科学者の脳が壊れたとき
ジル・ボルト・テイラー(著) , 竹内 薫(訳)
脳卒中で著しく脳に損傷を受けた脳科学者による当事者研究エッセイです。左脳の機能が失われるさまをつぶさに観察するくだりなどは、客観的に書かれているがゆえにかえって胸に迫ります。しかしその後、右脳だけが機能している状態で著者が体験した神秘的境地とは・・・。そこには科学を超えた領域が広がっていました。
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