ブックキュレーターhonto編集員
見てないところでひと時の自由を謳歌している?物思う人形たちの物語
人形はそこにあるだけで奇妙で幻想的です。デパートに置いてあるマネキンでも、ふと見るとドキッとすることがあるでしょう。愛らしいような、恐いような、不思議に心惹かれるものです。人の目に触れないとき、人形たちは動き回り、ひと時の自由を謳歌している。そんな不思議な命なき者たちが束の間目覚める、魔法の物語を紹介します。
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魔法の夜
スティーヴン・ミルハウザー(著) , 柴田 元幸(訳)
夏の月夜、小さな町で眠らない人々がさまよっています。彼らが出会う、一夜だけの奇蹟。月光に誘われるようにショーウィンドーのマネキンが動き出し、屋根裏の人形たちが目覚めます。美しい月夜には私の町でも知らないうちに何か不思議なことが起こっているのでは・・・と読者を惑わせ、見慣れた風景を揺らがせてくれます。
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ようこは、おばあちゃんにリカちゃん人形が欲しいと言ったのですが、おばあちゃんがくれたのは市松人形のりかさんでした。でも、この人形は人と心を通わせることができたのです。ようこは他の人形たちの声も聞こえるようになり、人間を癒し続けてきた人形を今度はようことりかさんが癒してあげます。短編「ミケルの庭」も併録されています。
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人形の家 新版
ルーマー・ゴッデン(作) , 瀬田 貞二(訳)
エミリーとシャーロットの姉妹は規格の揃わない雑多な人形を寄せ集めて、家族の役割を割り振って遊びます。ところが、そこに高級人形のマーチーペーンがやってくると、姉のエミリーはマーチーペーンを主人に、他の人形を召し使いに設定変更してしまいました。もの言えぬ人形たちの無力さが胸に迫る一冊です。
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ある大工が話をする丸太を見つけ、ジェッペットじいさんはその丸太で人形を作りピノッキオと名づけます。ところがこの人形、いたずら者でわがままで勉強も働くのも大嫌い、うまい話に乗せられて何度も危ない目に遭ってしまし、反省してもすぐに忘れてしまうのです。何度死に掛けても懲りないピノッキオのいたずらっ子ぶりは、いっそ痛快です。
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少女マリーがクリスマスにもらったくるみ割り人形が、マリーを別世界に誘います。どんどん図々しくなるねずみの王さまと戦うため、人形はマリーに一振りの剣を求めました。どこからが夢でどこからが現実なのか、見定められない曖昧さが幻想的な雰囲気を漂わせています。チャイコフスキーのバレエ『くるみ割り人形』の原作です。
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