変身願望が叶えられるかも？人格が入れ替わる「入れ替わりもの」の傑作小説

大地震が起きた時にファーストフード店に居合わせた6人が、ある建物の中に逃げ込みます。なんとそこは、人格を入れ替えるための実験施設でした。脱出不可能な施設の中で人格が入れ替わるなか、連続殺人が発生し、怒涛の展開に・・・。どんでん返しもあり、最後まで一気読み必至の一冊です。

何者かの陰謀によって人格が入れ替わるのは、総理大臣とおバカな息子です。ドラマ化され大きな反響を呼んだ本書ですが、原作も間違いなく痛快。政治を題材にしながらも、コミカルなドタバタ劇に仕上がっています。社会風刺も効いた、誰が読んでも楽しめる小説です。

大学院生の明斗と同級生のスバルが猫とともに落雷に遭い、明斗の魂がスバルの体に、スバルの魂は猫に宿ってしまいます。魂を失った明斗の体は、昏睡状態に。1人と1匹はもとに戻るため奔走し、学内のとある事件にだどり着きます。軽いタッチでテンポよく読めますが、なかなか本格的な化学ミステリーです。

主人公は39歳の会社員。ある時、妻と娘を乗せたバスが崖から転落し、妻が死亡してしまいます。ところが、意識を取り戻した娘の体に、妻の人格が宿っていることがわかります。秘密を抱え新たな生活を始める2人ですが、そこには多くの困難と葛藤が生じ・・・。ラストにわかる本当の「秘密」が切なくて、家族が愛おしくなる小説です。

2016年に公開され、大ヒットしたアニメ映画の小説版です。離れた土地で暮らす少年と少女が何度も入れ替わりを繰り返すうち、その現象に隠された意味がしだいに明らかになってゆきます。一人称で書かれている小説版は、主人公2人の心情がより深く理解できるのが特徴。映画を観たという方にもオススメできる一冊です。