ブックキュレーター花まる学習会 平沼純
おばけ、幽霊、魔女、妖怪・・・「この世ならざるもの」たちの世界へ
「現世(うつしよ)は夢、夜の夢こそ真(まこと)」とは、江戸川乱歩の言葉。いわゆる幽霊や妖怪などの目には見えない不思議な存在に思いを馳せることは、日々論理の世界に生きる私たちの意識にゆさぶりをかけ、この世界の奥行きへの気づきをもたらします。ちょっと怖いけど魅力あふれる「この世ならざるもの」たちの世界へようこそ!
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あやかしファンタジア
斉藤 洋(作) , 森田 みちよ(絵)
主人公の「わたし」がとある町で体験する、数々の奇怪な出来事を描いた連作短編集。商店、マンション、野球場・・・。『ひとりでいらっしゃい』シリーズなど、実は怪談の名手でもある斉藤氏による独特な妖しさが魅力。それぞれのエピソードの真相が明確には語られない演出も、恐怖感を倍増させています。
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二ちょうめのおばけやしき
木暮 正夫(作) , 渡辺 有一(絵)
家出したタツヤは、ふとしたことから「おばけやしき」として知られる2丁目の空き家に泊まることに。そこでタツヤが出会ったものとは・・・?ちょっと怖いけれども心温まるストーリー。「時の流れとともに失われゆくもの」への思いが描かれていて、単純な怪談ものとは一線を画します。
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魂をはこぶ船 幽霊の13の話
オトフリート・プロイスラー(作) , 佐々木 田鶴子(訳) , スズキ コージ(絵)
『大どろぼうホッツェンプロッツ』や『クラバート』などで有名な作者が、ドイツや周辺国の幽霊譚13話を再構築したもの。この世をさまよい続ける魂、人間につきまとう幽霊など、不気味さと哀しさを感じさせる幽霊たちが描かれます。コラージュも取り入れたスズキコージ氏によるイラストも非常に魅力的。
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魔女に会った
角野 栄子(文・写真) , みや こうせい(写真)
2018年4月に国際アンデルセン賞を受賞した著者による、世界の魔女をめぐる旅行記。ドイツやベルギーで今も行われる魔女祭り、火あぶりの刑を再現した猫祭り・・・。終盤では、作者自身がルーマニアに住む「現代の魔女」を訪れたエピソードが描かれます。写真がふんだんに使われていて、作者とともに旅をした気分に。
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天狗ノオト
田中 彩子(作)
亡くなったじいちゃんの遺した日記に書かれていた謎の言葉、「天狗ニアフ」。6年生の保は友人たちとじいちゃんの過去、天狗の謎を探り始めますが・・・。話が進むにつれ、予想以上にスケールの大きな天狗の世界の物語になっていく様は圧巻。ファンタジーの世界が現実と地続きであることが実感されます。
ブックキュレーター
花まる学習会 平沼純1982年生まれ。慶応義塾大学文学部卒、同大学院社会学研究科修士課程修了。花まるグループの受験部門であるスクールFCで、国語や公立中高一貫コース授業のほか、総合的な学習の時間である「合科授業」などを担当。多数の受験生を合格へ導くとともに、豊かな物語世界の楽しさ、奥深さを味わえる授業を展開し続けている。各種メディアで紹介された『子どもを本好きにする10の秘訣』(実務教育出版)のほか、書籍、雑誌・新聞記事などを多数執筆。読書をテーマにした講演会や連続講座も精力的に行い、本を読む楽しさ、物語を味わう大切さを訴え続けている。2016年よりほぼ毎月開催している連続講座「旅する読書」は、全国から参加者が集まる人気イベント。
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