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短いのにやたらと印象深い!名手たちによる傑作短編小説
短編小説は短いだけに、長編小説ほどの読み応えを得るのは難しいと思われがちです。しかしここで紹介する著者たちの小説は、そんな安易な思い込みを見事に打ち消してくれます。短時間で完読できるのに強く心に残る。そんな読書体験を存分にお楽しみください。
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表題作は、庶民の清貧生活の中にある美しくも心温かな物語を描くことを得意とした著者の代表作です。ある夫婦が相手を想うあまりに行った愚かな自己犠牲が皮肉な結果を生むものの、それによって2人は互いの愛の深さを知ることになります。清らかな愛の姿に深い感動を覚えずにはいられない、年齢や性別を問わずオススメできる短編小説です。
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四角い卵
サキ(著) , 和爾 桃子(訳)
短編の名手としてオー・ヘンリーと並び評価されている著者ですが、その作風は正反対。胡散臭い男が語る奇妙な儲け話を題材にした表題作を始め、ブラックユーモアに富んだ刺激的な作品が多く、どの短編を読んでも大きなインパクトがあるでしょう。著者のひねくれ者ぶりが垣間見える冷笑的な表現に、思わずニヤリとさせられてしまいます。
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物事をありのままに描くことを旨とする自然主義作家であった著者は、市井の人々の悲喜こもごもを扱った名作を数多く残しています。その中でも「脂肪の塊」は、人の欺瞞のいやらしさをリアルかつ皮肉たっぷりに描いており、シニカルな笑いを誘うでしょう。巧みな構成がオチを見事に際立たせ、短編とは思えないほど強烈な余韻が残ります。
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夜の樹 改版
カポーティ(著) , 川本 三郎(訳)
起伏の激しい人生を送った著者が紡ぎ出す短編には静かな狂気をはらんだものが多く、思わずゾクッとさせられることがしばしばです。とくに「夜の樹」はその最たるもので、人の心に潜む闇を歪な形で描き出している衝撃作。さらに著者の優雅で美しい文章が、そのダークな内容をより魅惑的に仕上げています。
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愛し合っているはずの男女のちょっとしたすれ違いを描いた表題作をはじめ、著者の短編はお洒落で洗練された雰囲気がたっぷりと詰まっています。想像力を掻き立てられるシンプルな会話や要所にさり気なく挿入されているみずみずしい背景描写などは、芸術的と言っても過言ではないでしょう。読後、無性に人にオススメしたくなる良作です。
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