ブックキュレーターhonto編集員
誰もが避けて通れない!?「偶然」について考えるための本
「必然」や「運命」の周りには、「偶然」の世界が広大な雲のように広がっています。人間が手なずけがたいものであるせいか、なかなかフォーカスされないのが偶然です。だけど、天気予報やコンピュータ科学をはじめ、偶然の研究が私たちの日常を支えているのもまた事実。ここで紹介する本を通り抜けた後では、「運命」もまた別様に見えるかもしれません。
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デタラメ研究所 (月刊たくさんのふしぎ)
小波 秀雄(文) , コマツ シンヤ(絵)
小学生向けの雑誌『月刊たくさんのふしぎ』2018年8月号のテーマは「デタラメ研究所」。宇宙船に乗って地球にやってきたデタラメ調査団が、私たち人間の直感とは少し異なる偶然や確率の意味を教えてくれます。子ども向けとはいえ侮るなかれ。内容はかなり充実しています。かっこうの「偶然」入門書です。
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有限性の後で 偶然性の必然性についての試論
カンタン・メイヤスー(著) , 千葉 雅也(訳) , 大橋 完太郎(訳) , 星野 太(訳)
一読して驚きを隠せない、「偶然」についての壮大な思考実験の書です。この世界は偶然によって成り立っている、となんとなく考えていませんか?本書はその「なんとなく」を、とことん突き詰めて考えています。たとえば著者は、この宇宙を支配している物理法則でさえある瞬間に変化する、と主張しています。
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偶然性と運命
木田 元(著)
多くの人が時に、単なる偶然を「運命」や「宿命」と捉えてしまうことには、いったいどんな理由があるのでしょう。本書のテーマは「出逢い」です。人と人が出逢い、交錯するところから、偶然から運命への変換が行われているのでしょうか?時間論の大家ハイデガーの哲学を背骨として、著者は「出逢い」のメカニズムを追究しています。
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アルゴリズム思考術 問題解決の最強ツール
ブライアン・クリスチャン(著) , トム・グリフィス(著) , 田沢 恭子(訳)
計算を早く、簡単に、効率的に行うための手段が「アルゴリズム」。一見するとそのためには、いかに偶然的要素を排除するかが大切だと思ってしまいがちです。ところが、本書によれば私たちの日常における「最適解」を導き出すためには、むしろ偶然に委ねることも必要なのだとか。効率の追究が意外な結論を導き出します。
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