ブックキュレーター花まる学習会 平沼純
夏の終わり、秋の始まり
どこか寂しさを感じさせる、夏の終わり。しかしやがて色鮮やかな情景とともに秋がやってくると、新しい生活が始まり、新たな出会いも待っています。自ずと様々な感情を抱かせる秋という季節にふさわしい、5冊の絵本、児童文学を選びました。秋の夜長はこれらの本を傍らに、様々な感情を味わってみてはいかがでしょうか?
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ガオ
田島 征三(作)
ある日、大きな声で吠えた元気な山犬。すると体の中の「元気」が外に出て巨大な鳥の形になり、ヘビの形になったもとの体を襲い始め──。奇想天外なこの物語を彩るイラストは、何とすべて色とりどりの木の実を並べるだけでつくられています。秋の季節に、このように木の実を探して並べ、自分だけのお話を作るのも一興。
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おおきなおおきなおいも 鶴巻幼稚園・市村久子の教育実践による
赤羽 末吉(さく・え)
雨が降って、楽しみにしていた芋掘りが延期に。外に出られない子どもたちはお芋の絵を描くことにしますが、だんだん絵のお芋は大きくなっていき、ついにはヘリコプターで運んで船や恐竜の形に・・・。実際の幼稚園の実践をもとに生まれた、子どもの無限の想像力にあふれた一冊。「想像の翼を広げる」とは、まさにこのこと!
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月夜のバス
杉 みき子(作) , 黒井 健(絵)
「月」は秋の季語の一つ。月を描いた絵本は多くあれど、その中でもこの絵本は夢と現実のあわいを描いたような、何とも言えない幻想的な雰囲気が魅力の一冊。夜の国道をぼんやりと歩く一人の少年。やがて目の前を通過するバスの中に一瞬見えたものとは──?短編集『小さな町の風景』の中の印象的な一話が絵本化されました。
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9月のある土曜日、ニレの木の下で偶然出会ったモカとモモ、カンタは、ひょんなことから児童館の掲示板の壁新聞づくりに夢中になっていきます。協同作業を通じて世界を広げていく主人公たちの姿が魅力的。彼らが巻き込まれる町のとある事件も印象的で、日常の中にも素敵な冒険があふれていることを改めて感じさせます。
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秋ものがたり
野上 暁(編) , ささめや ゆき(画)
岡田淳、まどみちお、佐野洋子、佐藤さとるなどの豪華作家陣が、様々な秋の物語をつくりました。収められている15編はファンタジー、リアリズム、詩歌などジャンルも豊富。SF風の第8話『おるすばん』(池澤夏樹)は、意外な展開と遊び心たっぷりの台詞回しに思わず笑ってしまうこと請け合いです。
ブックキュレーター
花まる学習会 平沼純1982年生まれ。慶応義塾大学文学部卒、同大学院社会学研究科修士課程修了。花まるグループの受験部門であるスクールFCで、国語や公立中高一貫コース授業のほか、総合的な学習の時間である「合科授業」などを担当。多数の受験生を合格へ導くとともに、豊かな物語世界の楽しさ、奥深さを味わえる授業を展開し続けている。各種メディアで紹介された『子どもを本好きにする10の秘訣』(実務教育出版)のほか、書籍、雑誌・新聞記事などを多数執筆。読書をテーマにした講演会や連続講座も精力的に行い、本を読む楽しさ、物語を味わう大切さを訴え続けている。2016年よりほぼ毎月開催している連続講座「旅する読書」は、全国から参加者が集まる人気イベント。
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