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温かいエールが欲しいときに!大人も読み返したいケストナーの本
何かに失敗したとき、ひどい仕打ちを受けたとき、大人でも傷ついてしまって、なかなか立ち直れないことはあるものです。そんなとき、手に取ってほしいのが、ドイツの詩人・作家、ケストナーの本。一見すると子ども向けの物語のようですが、困難に立ち向かって懸命に生きようとする大人にも、ケストナーは愛情に満ちた温かいエールを送ってくれます。
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飛ぶ教室
ケストナー(著) , 丘沢 静也(訳)
主役は寄宿舎で生活する5人の少年。彼らを個性豊かな大人たちが温かく見守ります。かと言ってケストナーは、少年時代を決して苦労のない幸せばかりの時代には描きません。『災難にあっても目をそらさないで。元気を出して。打たれ強くならなくちゃ』。困難に立ち向かう少年に向けたメッセージが心に沁みます。
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エーミールが出会う少年ジャッキーはアクロバット芸人。しかし、体が大きくなってもう芸ができなくなったために、仲間から置いてきぼりにされてしまいます。けれどジャッキーは落ち込みません。彼の明るいたくましさ、生きていく力に感動を覚えます。
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ケストナーの作品には、大人や大人の事情に振り回される子どもたちがよく登場します。本書の双子の姉妹ルイーズとロッテもそんな子どもたち。背景にあるのは両親の離婚です。それでも、へこたれることのない2人。その姿に心打たれるのは、大人も自分の力ではどうにもならないものに振り回されることがあるからかもしれません。
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天真爛漫な点子ちゃんの家はお金持ち。その友達のアントンは高潔な少年ですが、家は貧しく、お母さんは病気。でも、大切なのは点子ちゃんが、アントンは本当に偉いということを知っていること。どんな苦労をしていても自分は誰に対しても恥ずかしくない人間だ、と宣言できるアントンの姿に大人も勇気づけられます。
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人生処方詩集
エーリヒ・ケストナー(作) , 小松 太郎(訳)
生きるのがイヤになったとき、季節が変わるとき、必要に応じて薬のように使用する、という趣旨のユニークな詩集です。『悲しいときには臆せず悲しめ』『きみの死体をぶんなぐってやりたい』。わかりやすい言葉遣いで書かれていますが、ときにはユーモアを交えて、ときにはチクリと刺さるひと言で、軽やかに生きる苦労を励ましてくれます。
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