「アダルトの世界」で生きる人々のリアルに触れることができる本

アダルトビデオの帝王・村西とおるの半生を描いた伝記。法律と自由、常識とアイデアの狭間で、AV業界に数々の革命を起こし、表の世界にも影響を与えながらも、借金50億＆前科7犯を背負うことになった彼の人生自体がAV業界の光と影をそのまま表している、と言ってもいいのかもしれません。

7人の元人気AV女優に過去、現在、未来についての話を聞いた、インタビュー本です。どのようにしてAV女優になったのか、驚きのエピソードも飛び出しますが、それでも一様にAVに関わったことは後悔していないと語ります。本気で向き合い、光を浴びた彼女たちの現在、未来には、新たな光が差していて欲しいと思えてきます。

この本には、もしかすると自分の生きている世界とは全く無縁な話ばかりが描き出されているかもしれません。貧困を理由にAV女優になった女性へのインタビューをまとめたこの本には悲壮感、諦念などがあふれていて、読むと落ち込む方もいるでしょう。それでも、そんな現実があることを知ることで何かを変えられるかもしれません。

本業を持つ女性たちが副業としてAV女優を選択したのはなぜか。メリット、デメリット、その選択の可能性などを、実際に副業AV女優を選んだ女性たちへインタビューした本です。AVへの出演はネガティブなイメージを持たれがちですが、自由意思でその道を選んだ彼女たちはどう捉えているのか、目からうろこな一冊です。

主人公はAVと深い関わり合いを持つ4人の女性。AV女優の顔と普段の女性としての顔の狭間で揺れ動く登場人物たちの感情や、周りの人物たちの思いに、共感できるところが多く見つかる小説です。現役AV女優である紗倉まなだからこそ、AV女優の心の機微までが描けています。AVの世界に入っていく女性の心情を知りたい方、必読の一冊です。