ブックキュレーター経済学者 伊藤元重
ノーベル経済学賞受賞者から学ぶこと
ノーベル経済学賞の受賞者による一般向けの書籍。著者はいずれも大家であり書籍の内容もそれぞれに含蓄が深い。ただ、一般読者向けということを考えて、読みやすい本を選んだ。ぜひ手に取って読んでもらいたい本である。
※本ブックツリーの内容は、執筆時点(2019年11月13日)の情報に基づいております。
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最新のノーベル経済学賞の受賞者の中の二人による書籍。貧困問題について、最新の学問が実験という大きなプロジェクトで動いていることがよく分かる。貧困問題に関心のある読者には必読の書である。
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行動経済学の旗手の一人による、行動経済学についての興味深い書籍。セイラー氏は私の大学院時代の先輩だが、若い日の彼が行動経済学に傾倒していった様子がよくわかり、この学問の発展の経緯とともに、興味深く読めた。
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行動経済学の元祖による著作。世界的なベストセラーである。一般読者にもわかりやすく書いてあるので、心理学と経済学の境界で人間の行動原理を説明しようとする行動経済学のアプローチがよく分かる。
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大部の本だが、ゲーム理論や情報の経済学を柱としたこの30年の経済学の展開を知るには絶好の書籍だ。一般読者にも読みやすいように工夫されている。
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投機バブル根拠なき熱狂 アメリカ株式市場、暴落の必然
ロバート・J.シラー(著) , 植草 一秀(監訳) , 沢崎 冬日(訳)
近年、何度か大きなバブルの崩壊を経験してきた株式市場。この本は2000年のITバブル崩壊を予想した本として注目された。その後、2008年のリーマンショック後にも、改訂された。少し古い本ではあるが、金融市場の行動原理やバブルについて考えるにはよい手引きとなる。世界的に金融緩和の中で株価の高騰が続いている現在、この本のメッセージは重要である。
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未完の資本主義
大野和基 , クルーグマンポール , トーマス・フリードマン , デヴィッド・グレーバー , トーマス・セドラチェク , タイラー・コーエン , ルトガー・ブレグマン , ビクター・マイヤー=ショーンベルガー
何人かへの識者へのインタビューでポール・クルーグマン氏はその一人である。クルーグマン氏の一般向けの著作はいつも刺激的であり、このインタビューもなかなか興味深い。
ブックキュレーター
経済学者 伊藤元重東京大学名誉教授。学習院大学国際社会科学部教授。静岡県出身。専門は国際経済学。1979年米ロチェスター大学経済学博士号取得。東京大学大学院教授を経て2016年より現職。2013年から6年にわたり経済財政諮問会議の議員を務める。その他、税制調査会委員、復興推進委員会委員長、社会保障制度改革推進会議委員、公正取引委員会独占禁止懇話会会長などの要職を務める。
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