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「地べたからの視点」で社会と個人のあり方を問う。はじめてのブレイディみかこ
日本で生まれ、イギリスに渡り、保育士として働きながら、社会と個人のあり方を問い続けるブレイディみかこ。上からの抽象論ではない彼女の「地べたからの視点」は、イギリスと同じく不穏で殺伐感漂う社会で生きる日本人にとってもリアルな手触りと発見に満ちています。ここではデビュー作から話題の本まで、その多面的な魅力が味わえる本を集めました。
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イギリス生まれながら、東洋人の顔をもつ「ぼく」。そんな息子の中学校生活最初の1年半の日常を綴ったエッセイです。人種差別、経済格差、いじめなど波乱だらけの毎日を、「良い子」な息子と「パンク」な母ちゃんのコンビが、ともに悩み、話し合いながら乗り越えてゆきます。思春期の子育てに悩んでいる方にもオススメです。
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著者のデビュー作にして、息子が生まれる前のやさぐれた(?)日々を描いたエッセイ集です。登場するのは、子どもがいても平気で家に恋人を連れ込む母親、治療中に爆音でロックを鳴らす歯医者、毎日のように飲んだくれる著者など。無職でも、イケてなくても、タフにしたたかに生きる彼らの姿に引き込まれてしまうはずです。
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いまモリッシーを聴くということ
ブレイディみかこ(著)
新自由主義政策を推進し、経済格差を拡大させたサッチャー政権時代のイギリスに、ザ・スミスのボーカリストとして登場したモリッシー。その内省的で反権力的、かつ逆説的でもある複雑な歌詞を読み解きながら、彼の人気と軌跡に迫った一冊です。引用される歌詞の魅力に、音楽を聴かずともファンになってしまう読者もいるでしょう。
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THIS IS JAPAN 英国保育士が見た日本
ブレイディみかこ(著)
日本の労働運動や貧困者支援の現場を密着取材したルポルタージュです。みずからの貧困に向き合うことなく、より貧しいものを叩く若者たちから、東京・世田谷の主婦たちによる、ホームレスも巻き込んだ自主保育コミュニティの存在まで、メディアやインターネットでは知ることのできない、現代日本の絶望と希望が刻まれています。
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