ブックキュレーター立命館大学情報理工学部教授 谷口忠大
「コミュニケーションって何だろう?」を考え始めるための本
コミュニケーションという言葉から僕らが受けるイメージは様々だ。言葉による会話がコミュニケーションのすべてなのだろうか?言葉ってそんなにちゃんとしたものなのだろうか?コミュニケーションって伝達手段ってことでいいの?そんな問いを広げていくための5冊を選びました。情報理論から集合知、物理学から言語学まで。思索の旅を始めましょう。
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通信の数学的理論
クロード・E.シャノン(著) , ワレン・ウィーバー(著) , 植松 友彦(訳)
20世紀の「コミュニケーション」論はここから始まった。現代の情報通信の理論的基礎となったシャノンとウィーバーの論文の和訳。読んで理解しつつ、逆に彼らがコミュニケーションの何を取り扱って何を取り扱わなかったのかを知ろう。数学的な内容を多く含むが、その質も非常に優れており現代の人工知能の基礎にも通じる。
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「みんなの意見」は案外正しい
ジェームズ・スロウィッキー(著) , 小高 尚子(訳)
集合知とは、多くの人々に分散した知識や情報を統合したり、構造化したりすることで得られる「知」である。「みんなの意見」は、時としてその道の専門家の知識をも凌駕する。それはどんな時で、どんな方法で可能なのか?コミュニケーションの性能に関しても考えさせられる一冊。
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同期現象を通してホタルはコミュニケーションをしている?非線形振動子系として捉えることのできる様々な同期現象の事例から、その仕組みに関する議論まで広く解説された書籍。物理学と動物のコミュニケーションというとても遠そうな二つの概念がつながるのかどうか。読んでみよう。
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プラスチック・ワード 歴史を喪失したことばの蔓延
ウヴェ・ペルクゼン(著) , 糟谷 啓介(訳)
ブレイクスルー、イノベーション、アーキテクチャ。あのよくわからない横文字たちは、なぜ蔓延するのか?言語表現と政治とをつなげて描く、納得の一冊。現代社会のコミュニケーションを考える上で、重要な視点をくれる。
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ビブリオバトルって何?コミュニケーションするロボットは創れる?ビブリオバトルの考案者にして人工知能の研究者が、既存の学問枠組みにとらわれずに、コミュニケーションの新しい視点を伝授。教授と高校生の対話によるライトノベル形式の入門書。広く、挑戦的に、コミュニケーション論の翼を広げます。
ブックキュレーター
立命館大学情報理工学部教授 谷口忠大1978年京都府生まれ。立命館大学情報理工学部教授。パナソニック株式会社客員総括主幹技師。「どうして僕らは相手の頭の中をのぞけないのにコミュニケーションできるようになるんだろうか?」「僕たちは分かり合えるんだろうか?」などといった身近な問いから、気づけば人工知能とロボティクス、そして、人間のコミュニケーションへとつながる学際的な研究者になっていた。記号創発システムという概念を提案し、記号創発ロボティクスという研究分野を創出し、人間と人間がコミュニケーションできることの秘密、未来のコミュニケーションロボットの実現へと迫る。世界に広まる書評ゲーム・ビブリオバトルの発案者としても知られる。
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