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社会派ミステリーファン、必読!現実世界に密着する高村薫の真髄がわかる本
高村薫の小説の魅力は、重厚な文体で緻密に描写される登場人物や背景にあると言えるでしょう。この現実世界に密着して社会や人間のあり方を問う姿勢は、社会派推理小説の枠に収まり切らず、時事問題に関する積極的な発言にも表れています。ここでは、はじめて高村薫の小説を読む方が、その魅力の真髄に触れることができるような本を集めました。
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マークスの山 上
高村 薫(著)
狂気の連続殺人犯「マークス」を追う、合田雄一郎警部補をはじめとした警視庁捜査一課第三強行犯捜査第七係の活躍を描いた警察小説です。合田刑事や警察内部の複雑な人間関係、さらに犯人の不条理な心理が緻密に書き込まれています。高村薫の世界で20年近くにわたって活躍し続ける、合田刑事が初めて登場する小説です。
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レディ・ジョーカー 上
高村 薫(著)
「グリコ・森永事件」を想起させる大手ビール会社の恐喝事件を描いた小説です。犯人グループと彼らを追う警察に加えて、ビール会社内部の思惑や、特ダネを狙う新聞や総会屋までがからんだ暗闘が綿密に描かれています。差別問題まで射程に入れて事件の背後にある社会問題を掘り下げていく、高村薫の真骨頂が発揮されています。
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リヴィエラを撃て 上巻
高村 薫(著)
イギリスと日本を舞台にして約20年の歳月にわたって展開される、壮大なスケールの国際スパイ小説です。アメリカ、イギリス、中国の陰謀が渦巻くストーリーを入念に構成する力量は、トム・クランシーに勝るとも劣りません。随所に散りばめられたピアノによる音楽描写も秀逸です。
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我らが少女A
髙村薫(著)
同棲していた男性に27歳の女性が殺害された事件をきっかけに、合田刑事が12年前に担当した未解決事件の捜査が再開されます。被害者の人生を再構成することが真相究明の鍵になります。平成後半の東京郊外の風景描写は、さすが高村薫と唸らされます。
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作家的覚書
高村薫(著)
2014年から2016年までの文芸誌への寄稿や講演を集めた時評集です。憲法改正問題をはじめ、安保・原発・歴史といった複雑な問題に、大胆に切り込んでいます。「私たちはいま、どういう時代に生きているのか」と問い続けることが、現実世界に密着する小説を書き続ける作家・高村薫の原動力であることを実感することができます。
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