ブックキュレータージャーナリスト・浄土宗僧侶 鵜飼秀徳
ビジネスパーソンが読むべき仏教本
日本人にとって仏教は馴染みのある伝統宗教ですが、その教えは複雑でビジネスパーソンにあまり受け入れられていないのが実情です。ここに挙げるのは、そうした難解な学術本ではありません。仏教に初めて触れる現役世代が、教養として押さえておくべき仏教入門書であり、毎日を豊かに生きるための指南書です。共通するのは「生きて死ぬこと(あるいは働く意味)とは何か」。朝礼などでの訓示にも使える5冊です。
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仕事のノルマに追われたり、過剰に成果を求められたり。ビジネスに関する悩みは尽きません。本書は、仏教の教えをつかって、ビジネスパーソンの様々な悩みを解き解してくれます。お釈迦さまや宗祖の言葉・教えをビジネスシーンにおきかえているので、仏教初心者でもスイスイ読めます。著者は、元経済系記者で現在は浄土宗僧侶で、「寺院消滅」などのベストセラーで有名です。
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ダンマパダ(法句教)は、お釈迦様の教えを短い詩節で構成した教典のひとつ。人間の業の深さや、正しい生き方などを風格ある文章で編み上げています。現代人の実生活にそのまま置き換えても、まったく違和感なく心に響きます。本書には、お釈迦様がふとした時に口にした「ウダーヴァルガ」も集約しています。日々の雑事に疲れた時、パラパラとページをめくれば肩の荷が軽くなる感覚を覚えることでしょう。
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わたしが死について語るなら
山折 哲雄(著)
宗教学者の重鎮山折哲雄さんが、「自らの死」を意識しながら綴った一冊です。太平洋戦争で遭遇した死や肉親の死などを通じて、体得した「日本人にとっての死」を潔い語り口で綴っています。近年、家庭や学校で、「死を直視しない=死そのものを葬る」風潮にも警鐘を鳴らしているのには深い共感を覚えます。高齢化、多死社会における現代日本人の「死に様の指南書」でもあります。
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ベストセラー『ゾウの時間、ネズミの時間』で知られる生物学者による「寿命論」です。筆者によれば、人間は生物学的には41歳が寿命だといいます。退職後は「おまけの人生」。したがって「私」の幸せを追求するのではなく、次世代のために時間を費やすべきだと説諭します。「利他」の精神を科学的な視座で論じている点では立派な仏教書といえるでしょう。
ブックキュレーター
ジャーナリスト・浄土宗僧侶 鵜飼秀徳1974年、京都・嵯峨の正覚寺(浄土宗)に生まれる。大学在学中に浄土宗教師(僧侶)の資格を得るため、入行。1996年、伝宗伝戒道場を成満。現在、正覚寺副住職。成城大学卒業後、新聞記者を経て、日経BP社に移籍。『日経ビジネス』記者、『日経おとなのOFF』副編集長などを歴任。取材のフィールドは事件・政治・経済・文化・宗教と多岐に渡る。2018年に独立し、京都の自坊に戻るとともにフリージャーナリストに。「仏教界と社会との接点づくり」をテーマに活動を続ける。佛教大学・東京農業大学非常勤講師、浄土宗総合研究所嘱託研究員、一般社団法人「良いお寺研究会」代表理事。
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