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ひきこもり高齢化で親子共倒れの危機。「8050問題」を深く理解するための本
無差別殺人や父親が息子を殺してしまった事件などでにわかにクローズアップされている、「8050(ハチマルゴーマル)問題」。80代の親が引きこもる50代の子どもの生活を支えるという問題を、親と子の年齢を列挙してそう呼ぶようになりました。今後さらに深刻化していきそうな8050問題の実態と対策について言及している本を紹介します。
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社会学の立場から、長年社会的孤立について研究してきた著者が、「8050問題」の現場をリポートします。その上で「限界家族」が受けることができる数々の支援について提示しています。主張するのは『依存先の分散としての自立』。誰にも頼らないのではなく、複数の依存先を作って自立しようという考えです。
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ひきこもり問題を『より広範な視点から、社会全体、日本全体に広がる構造的な問題として取り上げていく』と「はじめに」にあるように、中高年ひきこもりの原因を、ジェンダー問題、労働問題、ケア制度の問題などと絡めて論じています。その上でひきこもりの当事者たちの声に耳を傾けて、支援のあり方を探っていきます。
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長年取材を続けるうちに、ひきこもり問題は家族のあり方と切っても切れない問題だと考えるに至った著者が、7つの家族をルポルタージュした一冊です。ひきこもりの当事者とその家族、支援者を徹底的に取材。その苦闘の日々に暗たんたる気持ちになりますが、微かな希望の光に向かって一歩を踏み出す姿は感動的です。
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親の「死体」と生きる若者たち
山田 孝明(著)
「8050問題」の先にあるのは、親の死体と生きる子どもの出現、もしくは親子とも死体で発見されるという悲惨な結末です。この本にはすでに起きているそういった事例が数多く紹介されていて、中高年のひきこもり家庭を支援してきた著者は、そんな悲劇的な終末が今後10年間で急増するはず、と危機感を持っています。
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長期間に渡ってひきこもっている人には精神疾患が疑われるケースが多いそうですが、そんな人を医療に繋げる仕事をしている押川剛氏の体験をもとにしたノンフィクション漫画です。扱っている事例はひきこもりだけではありませんが、病んでいる子どもを抱えて逃げ場を失った親たちの悲痛な叫びに心が痛みます。
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