読んで楽しむアート！思わず美術館に足を運びたくなる小説

アート小説でおなじみの原田マハによる、日本人の大好きなゴッホと彼を支えた画商の弟テオの物語です。誰も知らなかったゴッホの真実とは？この小説を読むと、いい意味でゴッホの絵の見方が変わってしまう、そんなお話です。

ニューヨーク近代美術館のキュレーターのティムは、招待されたスイスの大邸宅で巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵を見せられます。果たして、これは本物なのか？ティムともう1人の鑑定役、日本人研究者のオリエ・ハヤカワとの鑑定対決が読み応えある、絵画ミステリーです。アートに詳しくない方でも十分に楽しめます。

歴史的大ベストセラーとして知られるこの物語には、画家ゴーギャンがモデルとなっている男が登場します。情熱的で、正気と狂気が混沌としたストイックな画家の人生に、読みながら引き込まれてしまうでしょう。著者のモームはイギリス諜報機関の元メンバーで、体調を崩し、静養している間に本書を書き上げたそうです。

モテ画家としても有名だったモディリアーニと彼の恋人ジャンヌ、ふたりの波乱の生涯を描いた物語です。革新的な芸術家であったにもかかわらず、あまり評価をされなかったモディリアーニを新しい視点で見つめ直すことができます。表紙にも使われているモディリアーニの絵が、とても個性的で素敵です。

モネ、マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌ。新時代を切り拓いた印象派画家たちのそれぞれの人生が短編集としてまとめられています。語り手は、彼らの人生と交わった女性たち。住む世界が違うと思っていた巨匠たちの心情が、この小説ではずっと近くに感じられ、共感することができます。