ブックキュレーター京都大学総合博物館准教授 塩瀬隆之
仕事と経済を根源から問いなおす
「ロボットに仕事が奪われる」「早晩、従来の経済は破綻する」。わたしたちの不安を煽る見出しがテレビや新聞に踊る。本当に仕事や経済はなくなってしまうのか、あるいは単に別の仕事や経済が生まれ、ただ取って代わるだけなのか。仕事とはなにか、経済とはなにか、いまいちど立ち止まって考える頼りを探る。
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問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション
安斎勇樹(著) , 塩瀬隆之(著)
「激変する社会にどう対応すればよいのか」。わたしたちは焦りからか問題解決をとかく急いでしまう。あくせく働いて、スピードをあげればあげるほどかえって不安が募り、息が詰まる。「本当にそれは解決すべき問題なのか」。わたしたちは前提を疑い、固定化された認識や関係を揺るがす問いをデザインしなければならない。
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エンデの遺言 根源からお金を問うこと
河邑 厚徳(著) , グループ現代(著)
灰色男から奪われたみんなの時間を取り戻す冒険物語『モモ』で著名なエンデ。毎日あくせく働いて、働く意味を問う時間すら失った現代人を50年以上前から憂いていた。エンデが晩年関心をもっていたのは意外にも「お金」。しかもそれは普通のお金ではなく、思想家シルビオ・ゲゼルが提唱した「老化するお金」であった。
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ロシアの最大輸出国はなぜオランダ?イギリス料理はなぜマズいといわれる?そのどれもが立地や気候から紐解くと、かくも合理的な帰結として今があるということを納得せざるを得ない。立地、資源、人口、文化、宗教、そのいずれもが地の理であり、経済もまたデタラメに動いているのではないことを知る。
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交換経済が限界に達したとする論調を見る機会が増えた。他方で贈与経済に戻れるのか疑わしいとする主張も耳にする。「すきま」を埋めるというのはよい決着点なのだろうか。経済が変わればやはり仕事も変わるのか。お金で買えない大切なものがあることは当然知っているが、どうすればそのことに向き合えるのか。
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いっしょにいきるって、なに? 第2版
オスカー・ブルニフィエ(文) , 西宮 かおり(訳) , フレデリック・ベナグリア(絵) , 重松 清(日本版監修)
「みんな、はたらかなくちゃいけないの?」「どんなときでも、みんなをそんちょうするべき?」。こどもの素朴な問いは大人を追い詰めてしまうが、はぐらかそうとしたり、どこかで聞いた答えでお茶をにごしたりする必要はない。むしろ立ち止まり、唸りながら、子どもたちと答えのでないことを問いつづけることが大切。
ブックキュレーター
京都大学総合博物館准教授 塩瀬隆之京都大学総合博物館准教授。1973年生まれ。京都大学工学部卒業、同大学院工学研究科修了。博士(工学)。専門はシステム工学。2012年7月より経済産業省産業技術政策課にて技術戦略担当の課長補佐に従事。2014年7月より復職。小中高校におけるキャリア教育、企業におけるイノベーター育成研修など、ワークショップ多数。平成29年度文部科学大臣賞(科学技術分野の理解増進)受賞。経済産業省産業構造審議会イノベーション小委員会委員ならびに若手WG座長。令和2年度大阪・関西万博日本館基本構想ワークショップ有識者。著書に『問いのデザイン:創造的対話のファシリテーション』(共著)『インクルーシブデザイン:社会の課題を解決する参加型デザイン』(共著)など。http://designinnovation.jp/people/introduction/shiose.html
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