ブックキュレーター港の人 編集者 井上有紀
文学の町、鎌倉を感じる
鎌倉に住んでいた、あるいは、住んでいる文学者は数えきれず、町のあちらこちらに文学の息吹を感じ取ることができます。中世まで視線を広げればますますその気配は濃くなります。このことは、鎌倉で本の仕事をする時の最大の恵みだと感じています。この恵みを、みなさんにおすそわけします。文学に触れに、いつか鎌倉へ来てください。
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数々の名訳を生み出したロシア文学者の草分け的存在であり、小説も書き、三島や中村真一郎らに高く評価されていた神西清。53歳で亡くなりましたが、40代から鎌倉に住み文筆活動を行いました。この本の冒頭におかれた「水と砂」は鎌倉が舞台。硬質で美しい文章に、かつての文学者の格の高さを思い知らされます。
ブックキュレーター
港の人 編集者 井上有紀鎌倉の由比ガ浜にある出版社「港の人」勤務の編集者。手がけた本は、『目であるく、かたちをきく、さわってみる。』(マーシャ・ブラウン)、『きのこ文学名作選』(飯沢耕太郎編)、『胞子文学名作選』(田中美穂編)、『世界 ポエマ・ナイヴネ』(チェスワフ・ミウォシュ)、『90度のまなざし』(合田佐和子)など。海を見ながら自転車で通勤する時間が、毎日のいちばんの贅沢です。本棚の隅っこにあるような本もふくめて、一冊一冊大切に紹介します。ホームページhttps://www.minatonohito.jp
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