ブックキュレーターhonto編集員
ありふれた出来事がなぜかおもしろい。平凡な日常を扱った非凡な小説
私たち自身が明日にでも体験しそうな日常を扱った小説を集めました。特にドラマチックな出来事は起きない平凡な時間を文章にしているのですが、それが実におもしろい。日常小説というジャンルは著者の筆力が問われるものですが、ここで紹介する本はどれも読んだ時間が無駄になることなどまずない、非凡なものばかりです。
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ちょっとマイペースだけど、どこにでもいそうな20代の女の子の日常を綴った「何も起こらない」小説。好きな食べ物を食べ、惰眠をむさぼり、仕事でへまをして先輩にお小言をくらうなど、どうでもいい話に心和まされます。良くも悪くも人間的な主人公の心の動きが、童話チックな雰囲気をピリッと引き締めている秀作です。
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ブリージング・レッスン
アン・タイラー(著) , 中野 恵津子(訳)
友人の葬儀に出席することになった中年夫婦の平凡な1日を、400ページ以上のボリュームで綴った珠玉の長編小説。超がつくほどお人好しで世話好きなのに、ちょっぴり空気が読めないため、親切心がなかなか相手に届かない・・・。そんな中年女性の喜怒哀楽が温かなユーモアたっぷり、チャーミングに描かれています。
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すいかの匂い
江国 香織(著)
11人の少女たちの夏のひと時を集めた短編集。子どものころを思い出すような物語ばかりが瑞々しいタッチで描かれていて、ノスタルジックな気分にさせてくれる一冊です。事件性の高いエピソードはありませんが、子どもならではの無自覚な残忍さが非常にリアルに表現されていて、ところどころで思わずゾクリとさせられます。
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最愛の妻に先立たれて自殺を考えていた老人が、隣りに越してきたがさつな一家と触れ合うことで人生を取り戻していく感動巨編。呆れるほど偏屈な老人と、開けっ広げで大雑把な一家の交流がとても楽しく、終始温かな気持ちにさせてくれます。なんでもない日常のなかにあるきらめきを、やさしい筆致で教えてくれる小説です。
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