ブックキュレーター出版甲子園
読後感がクセになる、センチメンタルな気分になれるおすすめ小説
小説の結末は必ずしもハッピーエンドだとは限りません。登場人物の辛い気持ちを題材とした小説が数多く存在します。しかし、そうした小説は何度も読み返したくなるような不思議な魅力をはらみ、独特の読後感を与えてくれるものです。ここではそんなセンチメンタルさを楽しむことができる小説を紹介します。【選者:久岡直輝・広報局】
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天の光はすべて星 新装版
フレドリック・ブラウン(著) , 田中 融二(訳)
人々が宇宙開発への情熱を失った未来。星への思いを捨てきれない元宇宙飛行士のアンドルーズは木星行きのロケット打ち上げを推進する女性上院議員候補の存在を知り、かつて絶たれた宇宙への夢を再び追い始めるのですが・・・夢を諦めない主人公の切なく美しい結末に心揺さぶられる一冊です。
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紙の動物園
ケン・リュウ(著) , 古沢嘉通(訳)
中国人の母とアメリカ人の息子の物語。母が紙で折る虎や水牛は命を与えられ、まるで魔法のように生き生きと動き回っていました。幼い主人公はそれらと楽しく遊びますが、成長するにつれ中国人である母を疎ましく感じるようになります。親子のすれ違いやその要因である文化の壁が巧みに描かれていて切なくなる一冊です。
ブックキュレーター
出版甲子園2005年設立。早稲田大学公認学生団体。学生の、学生による、学生のための出版企画コンペティション。応募資格は、『学生』であること。参加企画は、厳正な審査と、決勝大会におけるプレゼンバトルで競い合い、編集者の目に止まった企画は出版されます。http://spk.picaso.jp/
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